着付けの資格について調べると、さまざまな種類が出てきますよね。
どの教室に通えばどんな種類の資格が取得できるのか、混乱している方も多いのではないでしょうか。
本記事では、着付け教室別に取得できる資格を整理して紹介しています。
着付けの資格について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
着付けの資格にはどんな種類がある?
着付けの資格は大きく分けて2種類あります。民間資格と国家資格です。
着付け教室に通って取得できる資格は、基本的に民間資格となります。
国家資格は、全日本着付け技能センターの着付け技能検定に合格することで取得可能です。
具体的な資格の取得方法については以下で解説していきます。
【国家資格】着付け技能士
全日本着付け技能センターの着付け技能検定に合格すると、着付けの国家資格である「着付け技能士」を名乗れます。この国家資格は、2010年に厚生労働省から認定を受けました。
着付け技能士には1級と2級があり、それぞれの取得方法は以下の通りになります。
着付け技能検定の受験資格
全日本着付け技能センターの着付け技能検定を受検するには、一定の実務経験が必要となります。
それぞれの資格に必要な実務経験年数は次の表の通りです。
1級 | 1級(2級合格者) | 2級 | |
---|---|---|---|
実務経験のみ | 5年 | 1年 | 2年 |
専門高校卒業 | 4年 | 1年 | 0年 |
大学・短大・高校専攻科卒業 | 3年 | 1年 | 0年 |
専修学校又は各種学校卒業(800時間以上) | 4年 | 1年 | 0年 |
専修学校又は各種学校卒業(1600時間以上) | 3年 | 1年 | 0年 |
専修学校又は各種学校卒業(3200時間以上) | 2年 | 1年 | 0年 |
短期課程の普通職業訓練修了(700時間以上) | 4年 | 1年 | 0年 |
普通課程の普通職業訓練修了(2800時間未満) | 3年 | 1年 | 0年 |
普通課程の普通職業訓練修了(2800時間以上) | 2年 | 1年 | 0年 |
美容師免許取得 | 2年 | 1年 | 0年 |
着付け技能検定の試験内容
着付け技能士の資格を取得するためには、まずは学科試験に合格し、その後実技試験に合格する必要があります(別途、学科試験免除基準あり)。
学科試験では、着物や帯の名称や格・歴史などが問われます。実技試験は、指定された着物を時間内に着付けるのが課題です。
1級と2級で、学科試験の範囲や実技試験で着付ける着物の種類が異なります。
詳しくはこちらに掲載されていますので、受験予定の方はご確認ください。なお、公式ホームページでは過去に出題された問題もチェックできます。
着付け技能検定の日程・場所・費用など
令和6年度における着付け技能検定の条件は下記の通りです。
【学科試験】
日程 | 令和6年6月11日(火) |
場所 | 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡 (詳細は受験票に記載) |
費用 | 8,900円 |
【実技試験】
日程 | 令和6年9月17日(火)~12月17日(火) |
場所 | 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡 他(詳細は順次公式ホームページに記載予定) |
費用 | 23,000円 |
条件は毎年変更されるので、受験予定の方は見逃さないように注意してください。
民間資格は団体・教室ごとに異なる
着付けの民間資格については、団体や教室ごとに名称や取得条件が異なります。
本記事では、以下の7教室で取得できる資格を紹介します。
教室名 | 資格名 |
---|---|
和装准1級、和装1級、和装師範など | |
本科認定、専攻科認定、師範科認定、講師科認定など | |
着物知識検定、着物免許5級~1級、着物国際免許、看板など | |
京都きもの学院 | 着付師など |
資格取得制度はなし | |
きもの講師資格3級~1級、きもの講師資格師範、着付師資格3級~1級、きものスペシャリスト技能認定など | |
着付講師3級~1級、准講師、教授免許状など |
各教室の詳細を解説していきます。
いち瑠で取得できる資格
いち瑠では、日本和装協会に認定された以下の資格を取得できます。
資格名 | 受験資格 | 期間 | 認定料 |
---|---|---|---|
和装准1級 | 極み科初級コース修了見込者 | 約3ヶ月(全7回) | 44,000円 |
和装1級 | 和装准1級取得者 | 約3ヶ月(全7回) | 55,000円 |
和装師範 | 和装1級取得者 | 約6ヶ月(全15回) | 110,000円 |
和装上級師範上級 | 和装師範取得者 | 約6ヶ月(全15回) | 55,000円 |
典雅きもの学院で取得できる資格
典雅きもの学院では、以下の資格を取得できます。
資格名 | 受験資格 | 期間 | 認定料 |
---|---|---|---|
本科認定 | 資格取得コース本科修了見込者 | 約4ヶ月(全16回) | 要問い合わせ |
専攻科認定 | 資格取得コース専攻科修了見込者 | 約3ヶ月(全13回) | 要問い合わせ |
師範科認定(典雅きもの学院の「着物ふれあいコース」を教える資格) | 資格取得コース師範科修了見込者 | 約3ヶ月(全11回) | 要問い合わせ |
講師科認定(典雅きもの学院の「資格取得コース」を教える資格) | 着付師科(講師科修了見込者 | 約4ヶ月(全16回) | 要問い合わせ |
ハクビ京都きもの学院で取得できる資格
ハクビ京都きもの学院では、以下の資格を取得できます。
着物免許は京都きもの芸術文化協会が発行しており、着物国際免許は国際文化教育協会が発行しています。
資格名 | 受験資格 | 期間 | 認定料 |
---|---|---|---|
着物知識検定 | ハクビ京都きもの学院に通う者 | 明記なし | 要問い合わせ |
着物免許5級/準師範 | スペシャルパック・エクセレントパック受講者 | 約1年(全36回) | 112,200円~224,400円(授業料含む) |
着物免許4級/師範 | スペシャルパック・エクセレントパック受講者 | 約1年(全36回) | 112,200円~224,400円(授業料含む) |
着物免許3級/上級師範 | 着物免許4級取得者 | 明記なし | 要問い合わせ |
着物免許2級/助教授 | 着物免許3級取得者 | 明記なし | 要問い合わせ |
着物免許1級/教授 | 着物免許2級取得者 | 明記なし | 要問い合わせ |
着物国際免許 | 着物免許5級取得者 | 明記なし | 要問い合わせ |
看板(自宅で着付け教室を開ける資格) | 着物免許4級取得者 | 明記なし | 要問い合わせ |
京都きもの学院で取得できる資格
京都きもの学院では、着付師プロコースの中級を受講すると「着付師」の資格を取得できます。
初級の修了に6ヶ月、中級の修了に6ヶ月かかるので、およそ1年で取得可能です。
資格取得後は、京都きもの学院から仕事の紹介をしてもらえます。ブライダルショップやホテル等で活躍できるでしょう。着付け教室を開いたり、着物屋で働いたりすることも可能です。
日本和装で取得できる資格
日本和装で取得できる資格は明記されていません。
日本和装は着付けの専門教室ではなく、着物の仲介販売業者なので、資格の取得に特化しているわけではないようです。
あくまで基本的な着付けの方法を学ぶための教室となっています。
長沼静きもの学院で取得できる資格
長沼静きもの学院では、日本和装協会に認定された以下の資格を取得できます。
資格名 | 受験資格 | 期間 | 認定料 |
---|---|---|---|
3級きもの講師 | 着物着付け科・本科の修了見込者 | 約3ヶ月(全12回) | 要問い合わせ |
2級きもの講師 | 着物着付け科・専攻科の修了見込者 | 約4ヶ月 | 要問い合わせ |
准1級きもの講師 | 着物着付け科・研究科の修了見込者 | 約5ヶ月 | 要問い合わせ |
1級きもの講師 | 着物着付け科・高等師範科の修了見込者 | 約6ヶ月 | 要問い合わせ |
師範きもの講師 | 着物着付け科・師範科の修了見込者 | 約6ヶ月 | 要問い合わせ |
着付師資格3級 | 着付師養成コースの修了見込者 | 約12ヶ月 | 要問い合わせ |
着付師資格2級 | 着付師養成コースの修了見込者 | 約12ヶ月 | 要問い合わせ |
着付師資格1級 | 着付師養成コースの修了見込者 | 約12ヶ月 | 要問い合わせ |
きものスペシャリスト技能認定 | プロ技術科の修了見込者 | 約1年(全48回) | 要問い合わせ |
資格取得後、長沼静きもの学院が運営する人材登録システム“シザブルスタッフ”に登録すると、着付師としての仕事を紹介してもらえます。冠婚葬祭における着付師として、または撮影のスタイリストとしてなど、さまざまな場面で活躍可能です。
きものレディ着付学院で取得できる資格
きものレディ着付学院では、以下の資格を取得できます。
資格名 | 受験資格 | 期間 | 認定料 |
---|---|---|---|
着付講師3級 | 本科+専攻科終了見込者 | 全8回+全15回 | 13,000円 |
着付講師2級 | 師範科終了見込者 | 全15回 | 24,000円 |
着付講師1級 | 経営師範科終了見込者 | 全15回 | 35,000円 |
准講師 | 研究科終了見込者 | 全15回 | 53,000円 |
教授免許状 | 研究専科終了見込者 | 全12回 | 120,000円 |
資格取得を目指す際、着付け教室を選ぶポイント
資格取得を目指す際は、以下の3ポイントに注目しましょう。
- 資格取得にかかる費用
- 着付け教室の評判
- 時間帯(振り替えの柔軟さ)
1点ずつ詳しく説明します。
資格取得にかかる費用
着付けの資格を取得するには、コースを修了した後に試験に合格し、認定をもらう必要があります。
授業料と試験料・認定料がそれぞれいくらなのかはチェック必須です。
試験料や認定料をチェックせずに教室を選ぶと、「想像よりも高額だった」という理由で資格取得に頓挫するリスクがあります。
着付け教室を選ぶ際は、資格取得にかかる費用を計算しましょう。
また、資格取得後の仕事についても注視すべきです。仕事紹介の体制が整っている着付け教室であれば、資格の取得にかかった費用を仕事で取り戻すことができます。仕事に活用できるので、取得した資格も無駄になりません。
着付け教室の評判
資格の取得を目指すのであれば、着付け教室の評判も重要視すべきです。
「教え方が適当」や「着物を押し売りされる」といった悪評が集まる着付け教室は、長く通い続けることが難しいからです。
評判の良い教室を見つけ、楽しく資格取得を目指しましょう。
以下の記事では人気の着付け教室7つを徹底比較しています。実際に通う生徒の口コミも紹介していますので、ぜひご覧ください。
時間帯(振り替えの柔軟さ)
着付け教室に通う際は、教室開催の時間帯をチェックしましょう。
資格を取得するためには、着付け教室に3~6ヶ月以上通うことが多いからです。
長期的に見て都合のつきやすい日時を選ぶべきです。通いづらい日時の教室を選ぶと、欠席数が増えてしまいます。
特に上級の資格を目指す場合、1年~2年以上教室に通うケースも多いです。レッスンの振り替えの自由度についても確認しておきましょう。
無料で自由に振り替えができる教室もあれば、有料でも振り替えができない教室もあります。振り替え不可の教室を選ぶと、大きく後れを取ってしまう可能性があるため注意してください。
先の予定が読めない方は、プライベートレッスンを選ぶのも一手です。受講料は高くなりますが、自身の都合に合わせて授業を受けられます。
まとめ
本記事の内容をまとめると以下のようになります。
- 着付けの資格には国家資格と民間資格の2種類がある
- 全日本着付け技能センターの着付け技能検定に合格すると、国家資格の「着付け技能士」を名乗れる
- 着付け技能士には1級と2級があり、それぞれ取得条件が異なる
- 民間資格は、着付け教室に通うことで取得できる
- 取得できる民間資格は着付け教室ごとに異なる
- 着付け教室で資格取得を目指す際は、「費用」・「評判」・「時間帯」の3点をチェックすべき
記事で紹介した内容を基に、着付けの資格を取得してみてください。
この記事が、着付けの資格について知りたい方の参考になれば幸いです。
また、以下の記事では人気の着付け教室7つを徹底比較しています。どの教室に通うか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。