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着物の生地9種類と、生地素材・織り方・染め方を紹介

着物 生地

着物の生地は、素材・織り方・染め方によってさまざまな呼ばれ方をします。

本記事では、着物の生地素材5種類と染め方2種類・織り方3種類・代表的な生地9種類を紹介します

それぞれの特徴や適切な季節・TPOも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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着物の生地素材の種類

着物の生地素材の種類は以下の5つが代表的です。

  • 木綿
  • ウール
  • 化学繊維

1種類ずつ詳しく紹介します。

絹とは、絹糸(きぬいと)で織られた布のことで、着物の中で最高級の生地素材です

上質な生地素材なので、振袖や留袖などの格が高い着物にはほとんど絹が使われます。色無地や小紋などのカジュアルな着物に使われることも多いです。

肌触りが柔らかで、光沢があるのが特徴です。通気性が良く、一年を通して快適に着ることができます。

ただし、湿気に弱くカビやすいため、他の生地素材よりも慎重にお手入れをする必要があります。

木綿

木綿とは、綿の種子を原料とした着物の生地素材です。主に普段着に使われます。

繊維が太く丈夫で、吸湿性・通気性に優れているため、通常は単衣(ひとえ)に仕立てられます。浴衣の生地も木綿を使ったものが多いです。

自宅で簡単に洗濯できるためお手入れも簡単です。ただし、縮みやすくシワになりやすい点には注意してください。

全国に産地があるので、各地の木綿の肌触りや質感を楽しめます。

麻とは、植物の麻から作られた着物の生地素材です。盛夏の普段着に使われます。

薄手で肌にまとわりつかないため、暑い日でも快適に過ごせます。家庭でのお手入れもしやすいです。

その一方で、シワが付きやすくゴワつきやすいといったデメリットも持ち合わせています。

また、染色しづらい素材のため、落ち着いた色合いの生地が多いのも特徴です。

初めは肌触りがゴワゴワとしていますが、何度も着ると柔らかくなり肌に馴染みます。

ウール

ウールとは、羊毛から作られた着物の生地素材です。冬用の普段着に使われます。生地が厚手なので、ほとんどが単衣に仕立てられます。

単衣仕立てですが、保温性が高いため真冬でも暖かく過ごせるのが特徴です。吸湿性が高いため、蒸れることもありません。

シワや汚れがつきづらい上に、自宅で手洗いができるのでとても便利です。

しかし、人によっては羊毛の毛羽立ちがチクチクと感じられるケースもあります。

化学繊維

化学繊維とは、ポリエステルやナイロン・レーヨン等で織られた着物の生地素材です

最大の特徴は価格の安さですが、見た目は高級な着物に引けを取りません。

しかし、通気性や吸湿性が悪いため、夏は不快に感じることがあります。他の生地素材に比べて着崩れしやすい点もデメリットです。

お手入れが簡単かつ気軽に購入できるので、着物初心者の方に向いている生地素材と言えます。

着物の生地の織り方

着物の生地は、主に次の3つの方法で織ります。

  • 平織(ひらおり)
  • 綾織(あやおり)
  • 繻子織(しゅすおり)

織り方の詳細や特徴をお伝えします。

平織(ひらおり)

平織とは、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を交互に交差させる織り方です。左右対称の模様が浮き上がります。

糸同士に隙間ができるので、薄手で通気性の良い生地となります。そのため、夏用の着物で用いられることが多いです。

また、平織りの生地は耐久性が高いのも特徴です。着物を扱い慣れていない初心者の方でも安心して着ることができます。

綾織(あやおり)

綾織とは、1本の経糸を2~3本の緯糸の上に通した後、1本の緯糸の下にくぐらせる織り方です

糸同士の交差ポイントが斜めに連続するため、斜文織り(しゃもんおり)とも呼ばれます。生地表面の模様は左右非対称です。

また、綾織は糸同士の隙間が少ないため、厚手で保温性に優れた生地となります。

平織と比べると耐久性は低いですが、柔軟性があり光沢に富んでいます。

繻子織(しゅすおり)

繻子織とは、経糸または緯糸を長く浮かせることによって、糸同士の交差ポイントを目立たないようにする織り方です。経糸を長く浮かせた場合、生地表面には経糸のみが出ているように見えます。

繻子織で織られた生地は厚手で艶やかな見た目をしています。そのため、冬用の礼装に用いられることが多いです。

また、他の織り方よりも耐久性が低いので、丁寧に扱う必要があります。

着物の生地の染め方

着物の生地の染め方には、先染め(さきぞめ)と後染め(あとぞめ)の2種類があります。

それぞれの方法を詳しく説明します。

先染め

先染めとは、糸そのものを先に染め、色が付いた糸を織ることで柄を作り出す手法です

糸の中心までしっかりと色が入るため、深みのある色合いを出せます。その分、糸を染めるのに長い時間と費用を要します。柄を織るのにも高い技術が必要です。

また、先染めで作られた着物は「織りの着物」と呼ばれます。織りの着物は、織って柄を出すため表裏がないのが特徴です。

後染め

後染めとは、白い糸の状態で生地を織り、後から色を染めて柄を作る手法です

先染めよりも複雑な柄を表現できます。しかし、先染めよりも色の深みを出しづらく、色あせしやすいというデメリットもあります。

また、後染めで作られた着物は「染めの着物」と呼ばれ、先染めで作られた「織りの着物」よりも格が高いとされています。染めの着物は、表裏で柄が異なるのが特徴です。

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着物の生地の種類

着物の生地は、素材や織り方・染め方によってさまざまな呼ばれ方をします。

今回は、有名な9種類を紹介していきます。

  • 絽(ろ)
  • 紗(しゃ)
  • 綸子(りんず)
  • 緞子(どんす)
  • 羽二重(はぶたえ)
  • 縮緬(ちりめん)
  • 縮(ちぢみ)
  • 上布(じょうふ)
  • 紬(つむぎ)

1種類ずつ特徴を見ていきましょう。

絽(ろ)

絽は、からみ織と平織を混ぜて織られた着物の生地です

規則的に目が空いているため、透け感があり通気性も良いです。夏用のフォーマルな着物に使われます。結婚式やお茶会・お宮参りに着ていくと良いでしょう。

絽目(ろめ)が緯糸3本でできているものを三本絽(さんぼんろ)・5本でできているものを五本絽(ごほんろ)・7本でできているものを七本絽(ななほんろ)と呼び、数字が大きくなるほど涼しげな印象になります。

絽は、着物だけでなく、帯や長襦袢(ながじゅばん)・半衿(はんえり)にも使われます。

紗(しゃ)

紗は、2本の経糸に緯糸1本ずつを絡めて織られた着物の生地です

等間隔で目が空いているため、絽よりも透明感が強く、通気性にも優れています。夏用のカジュアル~セミフォーマルな着物に使われることが多いです。友人とのお食事会や観劇などに向いています。

着物だけでなく、長襦袢や帯揚げの生地としても使われます。

綸子(りんず)

綸子は、繻子織で織られた後染めの絹の生地です。生地の表面には緯糸のみが出ています。

光沢があり、手触りが柔らかいのが特徴です。

綸子は絹の中でも生地が薄いため、夏前後の暑い時期によく着られます。

緞子(どんす)

緞子は、繻子織で織られた先染めの絹の生地です。異なる色の糸を使うため、模様がハッキリと出ています。先染めならではの重厚感と高級感が特徴です。

厚手な生地なので、夏の暑い時期には向いていません。

着物以外では、茶道具や掛け軸に使われることがあります。

羽二重(はぶたえ)

羽二重は、平織で織られた着物の生地です

細い経糸2本に緯糸1本を交差させるため、滑らかな光沢が出ます。肌触りの軽さも特徴です。

生地素材に絹を使用した羽二重は「光絹(こうきぬ)」と呼ばれ、礼装や着物の裏地として使われます。

縮緬(ちりめん)

縮緬は、平織で織られた絹の生地です。経糸に、強く撚った緯糸を交差させています。

織り上がった生地を煮沸することで、強く撚った緯糸が戻ろうとして生地表面にシボが出ます。シボとは生地表面の凹凸のことです。

縮緬の特徴は、生地の厚みと温かみです。そのため、秋から春先までの肌寒い時期に向いています。

着物以外にも、帯や巾着の生地などとして多岐にわたって活用されています。

縮(ちぢみ)

縮は、緯糸に強い撚りをかけて織りあげた後、表面を縮ませてシボを作った麻の生地です

シボがある麻の生地は肌に貼りつきづらいため、夏用の着物によく使われます。

小千谷縮(おぢやちぢみ)など、国の重要無形文化財に指定される種類も多いですが、どんなに価値が高くてもカジュアルな着物にしか使用されません。

上布(じょうふ)

上布は、上質で細い麻糸を平織で織った着物の生地です

さらっとした肌触りをしているため、夏用の着物に使われます。

国の重要無形文化財に指定されるなど、価値が高い種類も多いですが、カジュアルな着物にしか使用されません。

生産地によって、越後上布や近江上布・能登上布などと呼び分けられます。

紬(つむぎ)

紬は、紬糸(つむぎいと)を使った先染めの絹の生地です

紬糸は生糸よりも光沢が落ち着いていて、素朴な雰囲気を持っています。

職人の高い技術力を要することから、1着を作るのに1年以上かかることもあります。

大島紬(おおしまつむぎ)や久米島紬(くめじまつむぎ)・塩沢紬(しおざわつむぎ)など、日本の伝統工芸品に認定されている種類も少なくありません。

しかし、織りの着物なので格は低く、着用シーンはカジュアルな場面のみに限られます。

紬 着物 とは

まとめ

本記事の内容をまとめるとこのようになります。

  • 着物の生地は、素材や織り方・染め方によってさまざまな呼ばれ方をする
  • 着物の生地素材は、絹・木綿・麻・ウール・化学繊維の5つが代表的
  • 着物の生地の織り方は、平織・綾織・繻子織の3種類が主流
  • 着物の生地の染め方には、先染めと後染めの2種類がある
  • 着物の生地には、絽や紗・綸子などさまざまな種類がある

生地ごとの違いや特徴を把握し、季節やTPOに合う着物の生地を選びましょう。

本記事が、着物の生地の種類について知りたい方の参考になれば幸いです。

また、着物の生地の種類については着付け教室で学ぶこともできます。実際に生地を見たり触ったりして比較できるので、素材・織り方・染め方について詳しくなれるでしょう。以下の記事でおすすめの着付け教室を紹介してるので、ぜひ参考にしてみてください。

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