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着物の保管は重要です~着物をきれいに保つ準備・方法・収納~

着物 保管

着物を長く使い続けるためには、保管方法が重要です。

正しくきれいに保管できれば、染みや虫食い・ほつれなどを起こさず、着物を母から子・孫まで受け継ぐことが可能です。

一方で、正しい保管を怠ると大切な着物が1シーズンのみで使い物にならなくなってしまう可能性があります。

本記事では、着物をきれいに保管するための準備や方法・収納・コツ・注意点を紹介しています

この記事を読んで、大切な着物を長く使い続けられるようになりましょう。

着物をきれいに保管する前の準備

着物をきれいに保管するには、事前準備が重要です。

着物を脱いですぐにそのまま保管すると、保管中に虫食いやカビが発生し、使い物にならなくなってしまう可能性があるからです。

このような事態にならないためには、以下の2点を必ず行いましょう。

  • 染みや汚れがないか確認する
  • 最低1日間は陰干しをする

それぞれ詳しく解説します。

染みや汚れがないか確認する

着物を保管する前に、染みや汚れがついていないかを確認しましょう

ハンガーにかけて全体を見てみると、着ているときには気付かなかった汚れを見つけられます。

タオルなどで軽く叩いてホコリを落としながら、着物全体をチェックしてみてください。

染みや汚れを見つけた場合は、きれいに落としてから保管しなければなりません。

着物のクリーニング専門店に出したり、ご自身で対処したりしましょう。

着物の染みの落とし方については、「着物の染み抜き方法~6種類に分けて紹介します~」の記事で解説しています。着物の染みを見つけた方は、ぜひあわせてお読みください。

着物 染み抜き

最低1日間は陰干しをする

着物に染みや汚れがついていなかった場合は、1日間陰干しをしましょう。

一度着用した着物は汗・体温等の湿気を含んでおり、そのまま保管してしまうと黄ばみやカビの原因になってしまうからです。着物のシワの原因にもなります。

次に着るときまで綺麗な状態を保つためには、着物を太陽光が当たらない風通しの良い場所で最低1日間は陰干ししてから保管するようにしてください。直射日光に晒すと色褪せてしまうので、天日干しは厳禁です。

着物をきれいに保管する方法

以下の4ポイントに注意して、着物をきれいに保管しましょう。

  • シワがつかないように畳む
  • 一着ずつたとう紙に包む
  • ぎゅうぎゅうに詰め込まない
  • 着物保管サービスを利用する

1点ずつ詳細を説明します。

シワがつかないように畳む

着物をきれいに保管するためには、シワがつかないように畳むことが重要です

広くて平らなスペースを用意し、着物を丁寧に畳んでください。「本だたみ」という畳み方がおすすめです。

また、ホコリやゴミなどをつけないためには、大きな紙やシートの上で畳むことをおすすめします。

一着ずつたとう紙に包む

着物をきれいに畳めたら、一着ずつたとう紙に包みましょう。

たとう紙とは、着物を保管するための紙のことです。通気性・吸湿性・放湿性に優れており、防カビの役割を果たします

さらに、着物をたとう紙に包むとホコリが積もりづらくなったり、シワがつきづらくなったりします。着物を美しく保管するために欠かせないアイテムです。

たとう紙は着物の購入時についてくるので、捨てずに取っておきましょう。Amazonや楽天でも購入できます。

ぎゅうぎゅうに詰め込まない

着物を保管する際は、収納スペースに余裕を持たせましょう。

ぎゅうぎゅうに詰め込むと、着物の形が崩れてシワになってしまうからです。

また、着物が詰め込まれた収納スペースは湿気の溜まり場になり、カビの温床になってしまいます。

幅・高さともに2~3cm程度の余裕を持たせれば問題ありません

着物保管サービスを利用する

自宅での保管が難しい場合は、着物保管サービスを利用するのも一つの手段です。

湿度・温度などが徹底管理された場所で着物を保管してもらえます

着物1着あたり年間1,000円~5,000円程度で利用できるサービスが多いです。クリーニングと保管を同時に依頼できるサービスもありますよ。

プロに着物を管理してもらえますし、自宅のスペースも取らないのでおすすめです。

着物の保管におすすめの収納

着物の保管におすすめの収納は以下の3つです。

  • 桐タンス
  • 桐の衣装箱
  • 布やプラスチックのケースでもOK

それぞれの特徴と使い方を紹介します。

桐タンス

桐は通気性・吸湿性・放湿性に優れている素材で、虫を寄せ付けない成分が含まれているため、着物を保管するのに適しています

また、桐は変形しづらく腐りにくい点も特徴です。1つの桐タンスを長年使い続けられます。

さらに、桐は熱伝導率が低いため、火災が発生しても中の着物を守ることができます。

大切な着物をたくさんお持ちの方は、桐タンスを使用すると良いでしょう。

桐の衣装箱

桐タンスを置くスペースがない方や、持っている着物の数が多くない方には、桐タンスではなく桐の衣装箱をおすすめします。衣装箱であれば、タンスよりもスペースを取りません。

桐の役割はタンスも衣装箱も変わらないので、着物の数や自宅のスペースに合わせて最適な方を選びましょう

布やプラスチックのケースでもOK

桐タンスや桐の衣装箱が手に入らない場合は、布やプラスチックのケースを使用しても構いません。

桐と比べるとカビや虫食いのリスクは高いですが、1着ずつたとう紙に包み、スペースに余裕を持たせ、定期的に換気を行えばそれらのリスクも下げられます

着物をきれいに保管するポイント

ちょっとした工夫を加えるだけで、着物はきれいに保管し続けられます。

保管時には下記の3点を行ってみてください。

  • 半年に一度は虫干しをする
  • たとう紙は定期的に取り替える
  • 素材別に収納する

順番に詳しく解説します。

半年に一度は虫干しをする

半年に一度は保管中の着物を虫干ししましょう。

虫干しとは、収納した着物を取り出して風に当てることです。

虫干しを行うと着物のカビ・虫食いを予防できます。また、着物を取り出すことでタンスも乾燥させられます。

虫干しの時期

虫越しに最適な時期は、以下の通りです。

時期内容
7月下旬~8月上旬梅雨で湿気を含んだ着物とタンスを除湿する
9月下旬~10月中旬夏についた虫を追い払う
1月下旬~2月上旬1年で最も湿度が低い時期のため、着物・タンスを乾燥させる

からっとした晴天が3日程度続いた日の昼の時間帯に、4時間程度行うのが理想的です。

虫干しの方法

虫干しは、次のようにして行います。

  1. 着物を一着ずつハンガーにかける
  2. 太陽光が当たらない風通しの良い部屋の窓を開ける
  3. ②の部屋で、ハンガーにかけた着物を午前10時~午後2時まで陰干しする
  4. 着物を干している間にタンスの中を掃除し、全開にして乾燥させる
  5. 必要があれば、たとう紙も取り替える

たとう紙を取り替えるタイミングについては後述しますので、あわせて参考にしてください。

また、虫干しの際に着物の染みや汚れを発見したら、そのまま放置せずにきちんと対処しましょう。

たとう紙は定期的に取り替える

たとう紙は、長く使っていると除湿の効果が薄れます。効果が薄れたたとう紙を使い続けると、着物がカビたり黄ばんだりする可能性が高まってしまいます。

虫干しのタイミングで、たとう紙の状態も1枚ずつチェックするようにしてください。

たとう紙に茶色い斑点が出てきたら取り替えのサインです。すぐに新品に取り替えましょう

素材別に収納する

着物は素材別に収納することをおすすめします。

着物につく虫として知られている「ヒメマルカツオブシムシ」は、ウールを好んで食べる一方、絹を食べることはほとんどありません。

しかし、ウールと絹の着物を一緒に保管すると、ウール目的で集まったヒメマルカツオブシムシが絹の着物まで一緒に食べてしまう可能性があります

その他の着物も同じで、一緒にしまうことで痛みやすくなることは多いです。

できるだけ素材別に収納するようにしましょう。

着物の保管時に気をつける点

着物を保管する際は以下の2点に注意してください。

  • 防虫剤や乾燥剤は、異なる種類を使わない
  • たとう紙に着物の写真を貼る

それぞれ具体的に説明します。

防虫剤や乾燥剤は、異なる種類を使わない

防虫剤や乾燥剤は、異なる種類を使ってはいけません。

異なる種類の防虫剤や乾燥剤を併用すると、化学反応を起こして着物が変色したり、染みがついたりする可能性があるからです。

化学反応が起こらない100%シリカゲルのものを1種類に絞って使用してください

たとう紙に着物の写真を貼る

着物の数が増えるほど、どこに何の着物があるかは分かりづらくなります。

着物を探す度にたとう紙を開いて中身を取り出していると、しまう際に毎回畳み直さなければならず面倒です。

このような手間を省くためには、たとう紙に着物の写真を貼ると良いでしょう。

外見だけで中身が分かるため、探している着物をすぐに見つけられます

まとめ

本記事の内容をまとめると、以下のようになります。

  • 着物を保管する前は、染みや汚れを確認した上で最低1日間陰干しする
  • シワがつかないように畳んで一着ずつたとう紙に包むと、着物をきれいに保てる
  • 着物をぎゅうぎゅうに詰め込まないことで、型崩れを防ぐことができる
  • 自宅で保管せず、着物保管サービスを利用するのも一つの手段
  • 着物の収納は桐タンス・桐の衣装箱がおすすめ
  • 着物のカビや虫食いを防ぐためには、半年に一度虫干しを行う
  • たとう紙に茶色い斑点が出てきたら、新品に取り替える
  • 余計な虫食いを減らすためには、素材別に収納する事が大切
  • 異なる種類の防虫剤や乾燥剤を使うと変色するリスクがあるため、100%シリカゲルのものを1種類に絞って使う
  • たとう紙に着物の写真を貼ると、いちいち取り出す手間が省けて便利

正しく着物を保管し、大切な着物を長く着続けましょう。

この記事が、着物の保管方法について知りたい方の参考になれば幸いです。