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正絹着物とは?魅力や注意点、コーディネートなど紹介

正絹着物とは?魅力や注意点、コーディネートなど紹介

本記事では、着物の中でも特に高級素材と言われる「正絹着物」の特徴や魅力・注意点を解説します。記事後半では、素材の見分け方やおすすめのコーディネートなども紹介します。

正絹着物について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

本記事を読めば、正絹着物のメリット・デメリットが理解でき、正しく着こなせるようになります。

正絹着物ってどんな着物?

正絹着物とは、正絹で作られた着物のことを指します。生地の質が高い高級品で、購入価格としては数万~数十万円程度です。

正絹着物は小紋・紬と言ったカジュアルなものから、留袖・訪問着といったフォーマルなものまで幅広い種類があります。よって、正絹着物はシーンに合わせて着分けることができます。

そもそも正絹とは

正絹は、絹が100%使われた生地です。本絹やシルクと呼ばれることもあります。

蚕の繭から引き出した絹糸のみを織って作っています。絹糸の製造工程は以下の通りです。

  1. 養蚕:蚕を育てる
  2. 乾繭:蚕が作った繭を乾燥させる
  3. 煮繭:繭を煮て柔らかくする
  4. 繰糸:繭から糸を引き出し、撚り合わせる
  5. 揚返:糸を乾燥させながら巻き直す

正絹は、上記の工程で作られた絹糸を用いて織られます。

繭の中には、絹糸に向かない部分もあり、すべてが絹糸になるわけではありません。よって、着物の素材として使われる正絹を作るためには膨大な繭が必要となるのです。

そのため、正絹は非常に高級な素材となっています。

正絹着物の魅力

正絹着物には下記の魅力があります。

  • 高級感のある光沢を楽しめる
  • 着心地が柔らかく肌触りが良い
  • どの季節でも快適に着られる
  • 生地が滑りづらく着崩れしづらい
  • 世代を超えて長く愛用できる

一点ずつ詳しく見ていきましょう。

高級感のある光沢を楽しめる

正絹は、絹糸を作る段階で質の良いものだけが精査して選ばれています。絹糸に向かないものは「のし糸」と呼ばれ紬糸の材料となります。

よって、正絹着物は生地自体の品質が非常に高いです。正絹が持つ光沢から品質の高さを感じられるでしょう。

着心地が柔らかく肌触りが良い

正絹着物は着心地が柔らかく、肌触りが良いといった魅力があります。

正絹の絹繊維が、人間と同じくタンパク質で形成されているため肌触りが良く感じられるようです。

肌が敏感な方でも、正絹着物は快適に着られます。ゴワゴワ感やチクチク感などがないので肌荒れする恐れもほとんどありません。

どの季節でも快適に着られる

正絹着物は、春夏秋冬どの季節でも快適に過ごせる着物です。

正絹は通気性に優れており、吸湿性・放湿性が高いので、暑い夏でも涼しく過ごせます。

さらに保温性も高いため、冬でも暖かく、寒さを感じづらいのです。

素材によっては着用時期が限られる着物もある中で、季節を問わず着られるのは大きなメリットと言えるでしょう。

生地が滑りづらく着崩れしづらい

正絹の生地は滑りづらいので、比較的簡単に着付けを行えます。また、着崩れしづらいため長時間の着用にも最適です。

正絹着物は、初心者の方が着付けを練習する場合や、着物姿を美しく保ちたい結婚式や式典などのシーンで活躍するでしょう。

世代を超えて長く愛用できる

正絹着物は質が高いので、世代を超えて長く愛用できます。母から子へ、子から孫へと継承していきやすい着物です。

また、正絹着物は流行に左右されないデザインが多いといった意味でも、時代を問わずに着やすくなっています。

正絹着物の注意点

正絹着物には上記の魅力がある一方で、下記の注意点があることも覚えておきましょう。

  • 価格が高い
  • シミや変色を起こしやすい

それぞれ詳しく説明します。

価格が高い

正絹は、繭の中でも厳選された糸から作られる、希少な素材です。一着の着物を作るのに必要な繭は50kg分あるとも言われています。

そのため、正絹着物の価格は他と比べて高めになっています。数万円~数十万円程度かかるものが多く、気軽に購入できる価格とは言えません。

シミや変色を起こしやすい

正絹は繊細な素材なので、洗い方や保管方法を誤るとシミや変色を起こしてしまう可能性が高いです。

水分や日光に弱い特徴があるため、着用時や保管時には細心の注意を払う必要があります。

例えば、雨の日は濡れないように徹底対策する、もしくは着ないなどの判断が求められます。

着物の雨対策については「雨の日も着物を楽しむ8つの方法と濡れた場合の対処法」の記事で解説しているので参考にしてみてください。

また、着物を干す際は直射日光厳禁です。他の素材よりもすぐに変色してしまいます。

さらに、長期間着ない場合の保管方法も重要で、たとう紙に包んだり、桐の衣装箱に入れたり等の工夫が必要です。具体的な保管方法は「着物の保管は重要です~着物をきれいに保つ準備・方法・収納~」の記事でご確認ください。

万が一、正絹着物にシミや変色が起きてしまった場合は、プロの手による修繕が必要になります。その修繕費も、他の着物より高くなることを覚えておきましょう。

正絹着物の見分け方

正絹着物を見分ける手段として、最も確実なのは燃やして確認する方法です。正絹着物の切れ端があれば、ライターやマッチで燃やしてみてください。

生地が正絹であれば、燃えた後に黒く粉々の灰となります。燃えている最中は髪の毛を燃やしたような臭いがします。

燃やせる生地がなければ、見た目で確認しましょう

生地に光沢がある場合は正絹着物だと判断できます。ただし、化繊着物も光沢を放つ場合があるので見分けるのは少し難易度が高いかもしれません。

見た目で正絹か化繊か分からない場合は、手触りで確認できます。感触が滑らかで柔らかければ正絹、少し乾いていてツルツルとしていれば化繊である可能性が高いです。

正絹着物の管理方法

正絹着物は繊細なので、以下の通り慎重に管理する必要があります。

  • 脱いだ後は必ず風を通す
  • 年に2~3回虫干しをする
  • 汚れたらすぐに処置をする

まず、正絹着物は水に弱いので脱いだ後は必ず半日~1日程度風を通してください。着物は汗をすっており湿気を含んでいるので、すぐに畳むとシミや変色の原因になってしまいます。なお、風を通す際は必ず陰干しで行ってください。正絹着物は日光に当たるとすぐに変色してしまいます。

次に、保管している着物は年に2~3回虫干しする必要があります。虫干しとはタンスや衣装箱などにしまった着物を取り出して、風を通すメンテナンス方法のことです。虫干しの際には、劣化したたとう紙を交換するとさらに保管状況が良くなります。

最後に、正絹着物が汚れてしまった場合はその場ですぐに対処してください。放置する時間が長いほど汚れは落としづらくなってしまいます。ただし、汚れを落とそうとして生地を強くこすると傷む原因となるので注意が必要です。

正絹着物のコーディネート

正絹着物のコーディネートを、着物の種類別に3つ紹介します。色合わせや小物選びの参考になるものばかりなので、ぜひじっくりとご覧ください。

上品な光沢が美しい正絹の訪問着

正絹の訪問着のコーディネートです。正絹着物の光沢が美しいことはもちろん、合わせている小物の色合いも目を惹きます。金色の帯や草履、純白の帯揚げ・帯締め・足袋が豪華さやおめでたさを演出しています。

上質な赤が際立つ正絹の色無地

正絹の色無地のコーディネートです。同色の刺繍以外に柄は入っておらず、深紅一色ですが、正絹の光沢からか高級感が漂います。また、深緑色の帯揚げが差し色として全体を引き締めています。

かわいらしくも大人らしい正絹の小紋

正絹の小紋のコーディネートです。ブラウンベースに小さな花柄がちりばめられた正絹着物は、かわいらしくもどこか大人らしさがあります。帯揚げや帯締めの白色がちょっとしたアクセントとなっています。熊の帯留めも遊び心があり可愛らしいです。

正絹着物のよくある質問

正絹着物に関するよくある質問をまとめました。

※タップで質問の回答に飛べます。

正絹着物は家で洗える?

正絹着物は繊細なので、自宅では洗わないのが賢明です。クリーニング店や着物専門店に依頼することをおすすめします

クリーニングにかかる費用はおよそ1,000円~5,000円程度です。シミや変色がある場合は、別途費用が追加になります。シミや変色の位置や大きさによって追加費用は変わりますが、大体5,000円~20,000円程度です。

正絹着物は、着る度に洗う必要はありません。脱いだ後に風通しをしたり、埃・塵を取り除いたりすることで、頻繫に洗わなくても清潔な状態を保つことができます。着物を長く愛用するために、細かなお手入れを怠らないようにしましょう。

正絹着物にはどんな帯が合う?

正絹着物を普段着として着る場合、合わせる帯についてのルールやマナーはありません。正絹の帯を合わせれば統一感が出ますし、異素材の帯を合わせてもギャップを楽しめます。

正絹着物の種類が訪問着や留袖である場合や、結婚式や式典に着ていく場合は、同じく正絹の帯を合わせるのが無難です。

まとめ

本記事では、正絹着物についての基礎知識を、初心者の方でも理解できるようにひと通り解説しました。

正絹着物の魅力は、「高級感のある光沢を楽しめる」「着心地が柔らかく肌触りが良い」「どの季節でも快適に着られる」「生地が滑りづらく着崩れしづらい」「世代を超えて長く愛用できる」などが挙げられました。

しかし、注意点として「価格が高い」「シミや変色を起こしやすい」といった側面があることも覚えておきましょう。

この記事を通して、正絹着物への興味が深まっていれば幸いです。

また、正絹着物の歴史や着こなしなどについて、より詳しく知りたい方は、着付け教室で学んでみてはいかがでしょうか。本サイトがおすすめする初心者向けの着付け教室を、以下のページでまとめているので、ぜひチェックしてみてください。

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