着物の種類のうちの一つで、普段着として着られることの多い「小紋」。
柄の種類が多すぎて、それぞれの特徴や選び方が分からない方も多いでしょう。
そこで本記事では、有名な小紋の柄3種類や柄を選ぶポイントについて分かりやすく解説します。
小紋の柄について全く知識がない方も、この記事を読めば全体像が把握できますよ。
着こなしを間違えないためにも最後までしっかりとお読みください。
小紋とは?
小紋とは、全体に柄が入っている着物のことです。
付け下げや色無地よりも格が低く、一般的には普段着として着用します。
帯は名古屋帯を合わせるのが基本ですが、半幅帯を合わせることもあります。
名古屋帯についてより詳しくは「名古屋帯とは?」の記事をお読みください。
小紋の柄の種類
小紋の柄の種類は主に3つに分けられます。
- 江戸小紋
- 京小紋
- 加賀小紋
種類ごとの特徴を順番に見ていきましょう。
江戸小紋
江戸小紋は、一見無地に見えるほど細かな柄が施されている小紋です。
特に代表的な「江戸小紋三役」は小紋の中でも格が高く、江戸時代には大名が着用していたとされています。
- 鮫(さめ):鮫のウロコのように細かい柄。
- 行儀(ぎょうぎ):細かな点を、斜め45度の角度で規則的に打った柄。
- 角通し(かくどおし):小さな正方形を縦横真っ直ぐに描いた柄。
京小紋
京小紋は、一つの模様が大きく、色鮮やかで華やかな雰囲気を持つ小紋です。
約1200年前に京都で発祥し確立されました。
同じく京都の伝統工芸品である「京友禅」と「型彫り」の技術を合わせた柄となっています。
現代ではバッグや小物にもあしらわれるなど長く愛されています。
加賀小紋
加賀小紋は、自然をテーマとした柄の多い小紋です。
京小紋に影響を受けて作られたもので、「加賀友禅小紋」と「加賀染め小紋」の2つの種類に分けられます。
どちらも刺繍や金箔は使っていないため、落ち着いた印象を与えやすくなっています。
小紋の柄の種類についてより詳しく学びたい方は、着付け教室で教わると良いでしょう。以下の記事でおすすめの着付け教室を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
小紋はいつ着るべき?
小紋は普段着です。たくさんのカジュアルな場面へ着ていけます。
例えば観劇や友人との食事会・同窓会などです。
反対に、結婚式や式典などフォーマルな場面には不向きです。
洋服の普段着を着る場面を想定すれば分かりやすいかもしれません。
小紋の柄を選ぶポイント
小紋の柄は「季節」「年齢」「利用シーン」の3つに合わせて使い分ける必要があります。
それぞれのポイントを詳しく説明します。
季節に合わせる
小紋には季節を表す柄があしらわれていることが多く、基本的には季節に合わせて着分けなければいけません。
季節を表す植物の柄
- 春:桜、桃、菜の花、撫子…など
- 夏:あじさい、朝顔、蓮、百合、睡蓮…など
- 秋:紅葉、山茶花、秋桜、萩…など
- 冬:椿、水仙、梅、松、菊…など
植物以外で季節を表す柄
- 春:鯉のぼり(こどもの日)、…など
- 夏:花火、風鈴、うちわ…など
- 秋:稲穂、月・うさぎ(十五夜)…など
- 冬:雪、羽子板(正月)…など
行事や季節を外さないように柄を選びましょう。
もちろん季節に関係のない柄もたくさんあります。その場合はいつでも好きな柄を選んで問題ありません。
年齢に合わせる
小紋の柄選びに年齢制限はありません。
しかし、若い方からは大きい柄が、お年を召した方からは細かな柄が好まれる傾向にあります。
色も若い方は原色やビビッドカラー、お年を召した方は落ち着いた淡い色合いを選ぶ方が多いです。
あくまで全体的な傾向に過ぎないので、あなた自身が気に入った柄・色を着るのが何よりですよ。
利用シーンに合わせる
小紋の柄は利用シーンに合わせて変えることも大切です。
友人との食事会や観劇・同窓会の場合は、華やかな柄や色を選べばその場全体も明るくなります。
お稽古事やかしこまった食事会などには落ち着いた柄や色が合うでしょう。
また、おめでたいことがあれば縁起物の柄を選ぶなど、シーンに合わせて意味のある柄を選ぶと粋ですよ。
まとめ
本記事では小紋の柄の種類や選び方を解説しました。
小紋の柄は大きさから種類まで幅広くさまざまで、たくさんの着こなし方があります。
着物を普段着として使いたい方は、一着でも良いので持っておくと便利ですよ。
季節や行事に合わせた小紋を選んでおしゃれを楽しんでみてください。
この記事が、小紋の着用シーンや柄について知りたい方の参考になれば幸いです。