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着物の反物とは? ~サイズ・種類・値段などを詳しくご紹介~

着物 反物 とは

着物を仕立てる際に必ず耳にする「反物(たんもの)」。

聞いたことがあっても、どんなものなのか知らない・分からない方は多いのではないでしょうか。

本記事では、着物の仕立てに欠かせない反物の基礎知識を徹底解説しています。反物の意味やサイズ・種類・仕立て方・値段を知りたい方はぜひ参考にしてください。

使わない反物をリメイクするアイディアや、反物に関するよくある悩みの解決法も解説しています。

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着物の反物(たんもの)とは

着物 反物

反物とは、仕立てる前の着物の生地のことです。着物一着分に必要な長さと幅を持ち合わせています。生地を巻いた状態で保管・販売されていることが多いです。

単位は「反(たん)」で、着物一着分の生地を一反と数えます。二反分の長さがあるものは一疋(いっぴき)と数えるのが一般的です。

着物の反物の長さ・幅・重さ

基本的に、反物のサイズは「長さ12 m×幅36cm」です。

重さは生地によって異なります。500g~1kg程度が平均ではないでしょうか。

とはいえ、これはかつての日本人に適したサイズであり、現代の日本人は昔より体格が良くなっています。

そのため、現在は「長さ12 m~14m×幅37cm~38cm」の反物も増えてきています。これより更に大きい反物もあるため、小柄な方から大柄な方まで自身に適した反物を選ぶことが可能です。

着物の反物の種類・素材

反物の種類・素材は、主に以下の5つです。

  • 正絹
  • 木綿
  • 化学繊維
  • ウール

1種類ずつ詳しく解説します。

正絹

正絹は、絹100%の生地です。しなやかで肌触りが良く、着崩れしづらい点がメリットです。また、正絹ならではの光沢があり高級感もあります。

さらに、通気性が良く保湿性も高いので、夏・冬問わず快適に着ることができるのも嬉しいポイントです。

ただし、正絹は高級素材なので価格は高めです。また、生地が繊細なので自宅での洗濯は難しく、汚れた場合は業者に頼む必要が出てきます。

木綿

木綿は、植物の綿から取れる繊維を使用した生地です。特徴としては、生地が丈夫で吸湿性が高い点が挙げられます。価格が安く、自宅での洗濯も可能なので気軽に使用しやすいです。

通常、木綿はカジュアルな着物に仕立てます。振袖や留袖・訪問着などに仕立てたい方には向いていません。また、生地が厚いので、袷ではなく単衣の着物に仕立てるのが一般的です。

化学繊維

化学繊維とは、ポリエステルやナイロンでできた生地のことです。価格の安さが最大のメリットなので、安さを重視する方はあらかじめ化学繊維に絞って反物を探すことをおすすめします。

ただし、化学繊維には滑りやすい・通気性が悪い・安見えするなどのデメリットがあります。着崩れもしやすいので、あくまでちょっとした街着・普段着用の着物を仕立てるときにだけ使用しましょう。

麻とは、植物の麻の繊維を使用した生地のことです。通気性が良く吸湿性が高いため、夏用の着物に向いています。

上布(じょうふ)・縮(ちぢみ)など、国の無形文化財に指定される上質な生地も多いです。

ただし、麻はいくら上質な生地でも普段着用の着物にしか使いません。フォーマルな着物を仕立てたい方は、麻以外の反物を探しましょう。

ウール

ウールは、羊毛から作られた生地です。保温性が非常に高いため、冬用の着物を仕立てる際によく使用されます。また、ウールは生地が厚いため、単衣で仕立てられることが多いです。単衣でも十分に暖かいのがウールの強みだと言えます。

ウールも、基本的にはカジュアルな着物に使われます。フォーマルな着物には適していません。

着物の反物の仕立て方

着物の反物の仕立て方は、以下の3つに分けられます。

  • 袷(あわせ)
  • 単衣(ひとえ)
  • 仮絵羽(かりえば)

それぞれ詳しく説明します。

袷(あわせ)

袷は、10月上旬から5月下旬の比較的寒い季節に着用する着物です。表地に、八掛(はっかけ)・胴裏(どううら)の2種類の裏地を縫い合わせて仕立てます。

表地と裏地の2枚が重なっているため非常に温かく、重厚感があるのが特徴です。

八掛とは、着物の裾部分につける裏地です。前身頃(まえみごろ)に2枚・後身頃(うしろみごろ)に2枚・衽(おくみ)に2枚・衿先(えりさき)に2枚の計8枚を付けることから「八掛」と呼ばれています。

裏地でありながら、表からチラリと見える部分でもあるので、色や柄にこだわってお洒落を楽しむことが可能です。

胴裏とは、その名の通り着物の胴部の裏地です。八掛とは違い、表から見えることはないため、基本的には白地が用いられます。

単衣(ひとえ)

単衣は、6月初旬から9月末の比較的暖かい時期に着用します。裏地が付いていない薄手の着物です。通気性が高いため、暑い夏でも快適に過ごせます。

生地が1枚だけで透け感がある場合には、背中部分に背伏(せぶせ)を、腰部分に居敷当て(いしきあて)をつけます。生地の補強にもなるため、透けや破れが不安な方はあらかじめ付けておくのがおすすめです。

仮絵羽(かりえば)

仮絵羽とは、着物を仮縫いで仕立てた状態を指します。なぜ仮縫いしておくのかというと、全体の柄をイメージしやすくするためです。

反物の状態では、着物の形になった時のイメージがしづらいですが、仮絵羽の状態だと仕立て後の全体のイメージがしやすくなります。

柄全体がつながっているような振袖・留袖・訪問着は、仮絵羽の状態で陳列される傾向が強いです。

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着物の反物の値段

着物の反物の値段を、以下の場面に分けてご紹介します。

  • 購入時
  • 仕立て時
  • 染め時
  • 買取時

反物の購入価格(買うときの値段)

反物の購入価格は、素材や産地・作者などの要素によって異なります。

数千円とリーズナブルに購入できるものから、数十万円する高級なものまでさまざまです。

高価な傾向がある反物
  • 正絹素材
  • 有名作家が手がけたもの
  • 重要無形文化財
  • 伝統工芸品
  • 有名産地
安い傾向がある反物
  • 化学繊維
  • プリント地

反物の仕立て代(仕立てる時の値段)

反物の仕立てにかかる費用は、2万円~5万円が相場です。仕立てる着物の種類によって異なります。格が高くなるほど仕立代も高価になります。

胴裏や八掛などが必要な場合は、別途5千円程度の追加料金がかかります。

反物の染め代(染めにかかる値段)

反物の染めにかかる料金は、1万円~3万円程度です。

元の色の上から染める「上染め」よりも、元の色を抜いて違う色に染め替える「染め替え・染め直し」の方が高くつきます。

柄を活かして地色のみを変える「柄活かし」の手法は、より費用が上がります。

反物の買取価格(売るときの値段)

反物の買取価格は、購入価格と同じく種類によって異なります。

価値の高いものは数万円で買い取ってもらえますが、安いものだと100円程度に留まってしまいます。シミやほつれ・色落ちなどがあると、買取不可とされることも少なくありません。

このような場合は、売ることを諦めてリメイクするのも一つの手段です。以下で、リメイクのアイディアを10個紹介します。

着物の反物はリメイクできる!アイディア10選

「着物を着る予定はないけど、売るのは気が引ける」という方は、反物をリメイクするのはいかがでしょうか。

反物にアレンジを加えると、普段から使えるアイテムに変身させることができます。

反物のリメイクアイディア
  • 手ぬぐい
  • エコバッグ
  • ポーチ
  • 小物入れ
  • ワンピース
  • スカート
  • 日傘
  • ピアス
  • コースター
  • ブックカバー

上記のなかで、作りたいものはありましたでしょうか。

気になるものがあれば、YouTubeで作り方を調べてみてください。動画で手順を見ながら簡単に作れます。

着物の反物のよくある悩み

着物の反物のよくある悩みを紹介し、その解決法を解説します。

反物に関するお悩み

反物が臭い

反物が臭くて辛い…!

このような悩みは多く寄せられます。反物を長年タンスの中で保管していたり、箱にしまったままにしたりすると、カビ臭くなって当然です。

反物が臭い場合、まずは風通しの良い場所で陰干しをして臭さを飛ばしましょう。3日程度陰干しを続けたら、臭いが消える場合があります。

なお、干す際は生地をピンと張り形を整えることが重要です。乱雑に干すと、シワが付く恐れがあります。

陰干ししても臭いが取れない場合は、湯通しを行いましょう。湯通しとは、反物をお湯の中に入れて糊・カビを落とす作業のことです。

自宅でもできますが、縮み・色落ちなどが発生する可能性があるので、不安な方は専門業者に任せることをおすすめします。

反物の長さや幅が足りない

反物をもらったけど、サイズが私に合わないかも…。

人から反物を頂いた場合、上記のような悩みが生じることは少なくありません。

反物のサイズが足りないときは、別布を活用して長さ・幅を継ぎ足すことができます。右の衽に生地を継ぎ足せば、着付けたときに表から見えることもありません。この作業を個人で行うのは難しいので、一度仕立て業者に相談するのが良いでしょう。

また、そもそも「サイズが足りない」ということ自体が勘違いの場合もあります。自身の背格好と反物のサイズを業者に伝え、希望通りの着物が仕立てられるか相談するのが一番です。

まとめ

本記事の内容をまとめると、以下のようになります。

  • 反物とは、仕立てる前の着物の生地のこと
  • 反物のサイズは、基本「長さ12 m×幅36cm」
  • 反物の素材は、正絹・木綿・化学繊維・麻・ウールの5種類が主流
  • 反物は、袷・単衣・仮絵羽などの仕立て方がある
  • 反物の購入価格・買取価格は種類によって大きく異なる
  • 使わない・売れない反物は、手ぬぐいやエコバッグ・ポーチにリメイクできる

一通り記事を読んで、反物に対する理解を深めることはできましたでしょうか。

まだよく分からないという方は、難しかった箇所を再度読み直してみてください。

それでは、この記事反物について知りたい方の参考になれば幸いです。

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