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雨の日も着物を楽しむ8つの方法と濡れた場合の対処法

雨の日も着物を楽しむ8つの方法と濡れた場合の対処法

着物を着て出かける日が雨予報だと、残念な気持ちになりますよね。

着物が濡れてしまうのではないか、着物を着るのは止めようかと考える方も少なくないでしょう。

しかし、コツさえ知っていれば雨の日でも十分に着物を楽しめます。

本記事では、雨の日に着物を楽しむ方法8つをお伝えします。雨で濡れてしまった場合の対処法も解説するので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみください。

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雨の日に着物を楽しむ方法

雨の日に着物を楽しむためには、以下の8点をすべて行うことをおすすめします。

  • 洗える素材を選ぶ
  • 着物に撥水加工(パールトーン加工)を施す
  • 雨コートを着る
  • 雨草履を履く
  • 撥水素材の足袋カバーを穿く
  • 大きめの雨傘を持つ
  • バッグは雨用を持ち歩く
  • 移動時は裾を上げておく

上記8つを行うことで、雨の日でも快適に着物を楽しめます。

それでは、それぞれの詳細を解説していきます。

洗える素材を選ぶ

ポリエステルの着物は水に強く、色落ちやシミなどが起こりづらかったり、縮んでしまう可能性が低かったりするので雨の日に最適です。

自宅で丸洗いできるので、濡れや汚れを過度に心配せず着用できます。

ポリエステルの着物は素材としては新しく、安っぽい・ゴワゴワするといったイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、昔と比べて技術が発展した今では、見た目・着心地ともに正絹に引けを取らない仕上がりになっています。

友人とのお出かけであれば、ポリエステルの着物を選ぶのがおすすめです。

ただし、格式高いシーンには適さない素材なので注意してください。

着物に撥水加工(パールトーン加工)を施す

フォーマルシーンには、ポリエステルの着物は適しません。では、雨の日にはどうすれば良いのでしょうか。

答えは、着物に撥水加工(パールトーン加工)を施すことです。素材の風合いを損なうことなく、雨をはじきやすくできます。

価格は10,000円~20,000円程度と高めではありますが、水シミや汚れを落とす価格と比べるとまだ安く済みます。

繊細な着物を守るためにも、出かける日が雨予報であれば、あらかじめ撥水加工(パールトーン加工)を依頼しておきましょう。

雨コートを着る

雨の日に着物で外出する際は、「雨コート」を着ましょう。雨コートとは、その名の通り雨から守ってくれる防水の上着です。

一部式・二部式と二つの形状があるので、それぞれの特徴を紹介していきます。

一部式の雨コート

一部式の雨コートは、上下一体型になっています。着物と同じように衿合わせをして着るコートです。サッと羽織れるので、急な雨でもすぐに対応できます

ただし、一部式の雨コートは丈が長すぎると裾が汚れてしまうので、事前に丈を採寸・調整する手間がかかります。

二部式の雨コート

二部式の雨コートは、上下で分かれた造りになっています。一部式に比べて着る手間はかかりますが、小雨の時は上半身だけ・雨が強まってきたら下半身も、といったように雨足に合わせて着用部分を選べます。

また、着丈を調整しやすいので事前に採寸・調整する必要がありません。よって、気軽にネットで購入したり、知人から借りたりしやすいのは二部式の雨コートでしょう。

雨草履を履く

雨の日に実は最も濡れやすいのが足元。上半身は雨コートや雨傘によって濡れることを避けられますが、足元は意外にも無防備です。雨草履を履いて、足元も雨対策をしましょう。

雨草履とは、つま先にビニール素材のカバーがついた草履のことです。台は合皮になっているものが多く、こちらも水に強い素材なので雨が染みてくることはありません。

雨がそこまで強くない場合や、外出中に雨が降る予報の場合は、雨草履ではなく草履カバーを使用しても良いでしょう。

草履全体をカバーできるビニール素材のアイテムで、持ち歩きやすく着脱しやすい仕様です。室内で履き替える必要が無い点も便利でおすすめです。

撥水素材の足袋カバーを穿く

雨の日には、足袋を雨から守る「足袋カバー」を穿きましょう。撥水素材の足袋カバーは雨に強く、見た目も足袋にそっくりなので履いていて違和感がありません。

なお、足袋カバーはあくまで外用のアイテムなので、茶席では必ず脱ぐようにしてください。

また、万が一足袋本体が濡れてしまったときに備えて、替えの足袋も持ち歩くようにすると安心です。足袋が濡れると心地悪いだけでなく、客先の床や畳を濡らしてしまう可能性があります。

大きめの雨傘を持つ

着物は袖や裾が長いので、それをカバーできる大きめの傘が必要になります。

最低でも65cm以上の傘を用意することをおすすめします。折りたたみ傘や、小さいビニール傘などでは着物が濡れてしまうかもしれません。

また、雨の日に厄介なのは傘を閉じた後です。傘についた雨粒が着物に触れると、着物が濡れてしまいます。着物を水濡れから守るために、傘カバーを必ず持ち歩くようにしてください。

バッグは雨用を持ち歩く

着物用のバッグは繊細な生地で作られている場合が多く、雨に濡れると変色・シミ・縮みの原因となってしまいます。

雨の日のお出かけでは、水に強いポリエステル製のバッグや、水をはじくビニール製のバッグを使いましょう

ただし、いずれもフォーマルな場面には適さない素材なので、雨用バッグの中には礼装用バッグを入れて持ち歩くことをおすすめします。雨用バッグは、あくまでサブバッグです。

移動時は裾を上げておく

雨コートを着て外出する際は、着物の裾を折り上げて留めておきましょう。コートの下に隠れるので目立ちません。裾を上げる具体的な手順は以下の通りです。

  1. 着物の裾の先を軽くつまみ、帯の上まで持ち上げます。
  2. 帯の上部と裾先を、着物クリップで留めます。
  3. 2カ所程度クリップで留めたら完成です。

着付けの際に使用する着物クリップを活用して留めましょう。

なお、室内に入る時・雨が上がったときなど、雨コートを脱ぐ際はクリップを外し忘れないように気をつけてください。

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着物が雨に濡れてしまった場合

上述した8つのポイントを実施したにもかかわらず、着物が濡れてしまった場合は、以下の4つの方法で対処しましょう。濡れたまま放置すると着物が劣化する原因となるので注意してください。

  • 濡れた部分を早めに拭き取る
  • 着物をしっかりと干す
  • 泥はねは乾燥後に落とす
  • 水シミは専門業者に頼む

それぞれ詳しく説明します。

濡れた部分を早めに拭き取る

雨で着物が濡れてしまった場合は、手ぬぐいやハンカチで早めにサッと拭き取りましょう。水濡れは放置すればするほど悪化し、水シミとして残ってしまう可能性が高まります。

また、一カ所濡れた場所を拭くときには、他に濡れている箇所がないか併せて確認すると良いでしょう。友人・家族などに、濡れている部分がないか全身チェックしてもらうのがおすすめです。

着物をしっかりと干す

雨の日に着物を着た後は、いつもよりも長めに陰干ししてください。

雨の中ですごした着物は、濡れていなくても湿気を多く含んでいるため、すぐに畳むとカビ・シミの原因となってしまいます。なお、着物は直射日光に触れると色あせや変色の恐れがあるため、風通しの良いところで陰干しするようにしましょう。

また、着物を干すタイミングでは、表裏全体に水シミや泥はねがないか確認するとより安心です。明るいところでしっかりと目視することで、着ているときには気づけなかった水シミや泥はねを見つけられるかもしれません。

泥はねは乾燥後に落とす

着物の裾には、地面から跳ね返った泥はねが付いている可能性が高いです。しかし、泥はねに気付いてすぐに汚れを取ろうとするのはNGです。濡れた状態の泥は、拭こうとしても広がるだけです。汚れが取れることはありません。

泥はねの汚れは、以下の手順で落としていきましょう。

  1. 泥はね部分をしっかりと乾燥させます。
  2. 泥が乾いたら、生地の裏側から優しく指で叩きます。
    そうすることで、繊維の奥まで入った泥を前面に押し出すことができます。
  3. 毛先の柔らかいブラシで、泥はね部分を優しくこすります。
  4. 泥はねの汚れが全て落ちたら完了です。

焦って濡れた状態の泥を落とそうとすると、かえって逆効果なので注意してください。

水シミは専門業者に頼む

雨で濡れた部分が変色していたり、濡れた部分の周りに輪ができていたりする場合、それは「水シミ」です。

着物についた水シミを自力で落とすことはほぼ不可能です。

周りを濡らして馴染ませようとしたり、ドライヤー・アイロンで乾かしたり、シミ抜きを使ったりしても効果はありません。かえって水シミを悪化させる原因になりかねないので、むやみやたらに水シミを落とそうとすることは避けてください。

着物に水シミが付いてしまったら、専門業者に依頼しましょう。染色と洗い張りのプロである悉皆屋(しっかいや)や、着物のクリーニング店であれば、対応してもらえるケースがほとんどです。費用は着物の種類や水シミの大きさにもよりますが、1つあたり3,000円~20,000円程度で依頼できます。

雨の日も着物を楽しもう

本記事では、雨の日に着物を楽しむ方法8つと、着物が雨で濡れてしまった場合の対処法を解説してきました。

雨の日に着物を楽しむ方法
  • 洗える素材を選ぶ
  • 着物に撥水加工(パールトーン加工)を施す
  • 雨コートを着る
  • 雨草履を履く
  • 撥水素材の足袋カバーを穿く
  • 大きめの雨傘を持つ
  • バッグは雨用を持ち歩く
  • 移動時は裾を上げておく
着物が雨に濡れた場合の対処法
  • 濡れた部分を早めに拭き取る
  • 着物をしっかりと干す
  • 泥はねは乾燥後に落とす
  • 水シミは専門業者に頼む

上記に加えて、雨の日の着物の着こなしや濡れない歩き方を習得すると、さらに着物を自由に楽しめるようになります。着付け教室では、着物で雨の日をどう過ごすか実践的に学ぶことができます。

今よりもっと着物を楽しみたい方は、一度プロの講師から教わってみると良いでしょう。知見が深まった分だけ、より着物を好きになれるはずです。

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