「着物に帽子は合わせて良いのかな?」
「着物にはどんな帽子が合うんだろう?」
本記事にたどり着いたあなたは、上記のような疑問をお持ちかもしれません。
そこで本記事では、着物に帽子を合わせて良いかどうかについて解説します。着物に合う帽子7種類と、おすすめの合わせ方・コーディネートなども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
着物に帽子は合わせて良い?
カジュアルシーンに限り、着物に帽子は合わせてOKです。着物に合う帽子はたくさんあります。着物を普段着として楽しむ際には、コーディネートに帽子を取り入れて楽しむと良いでしょう。
ただし、結婚式や式典といったフォーマルな場面には帽子を合わせない方が無難です。合わせてはいけないという明確なルールがあるわけではありませんが、TPOにそぐわない可能性が高くなっています。
基本的な考え方は洋装と同じで、友人と遊ぶときにシャツとデニムのスタイルに帽子を合わせるのは至って自然ですが、スーツやドレスに帽子を合わせて良いかどうかはその場面次第になるといった形です。
よって、着物時に帽子を被るかどうかはシーンによって判断してください。
着物に合う帽子一覧
着物に合う帽子はさまざまな種類があります。以下で、代表的な7種類を紹介していきます。
- ハット
- 麦わら帽子
- キャップ
- ベレー帽
- ニット帽
- ハンチング
- ヘアバンド
それぞれの特徴を詳しく説明してきます。
ハット
帽子の周りがツバで覆われているものをハットと呼びます。ハットといってもさまざまな種類がありますが、ここでは特に着物に合う4種類を紹介します。
ハットの種類 | 特徴 |
---|---|
中折れハット | 頭頂部が内側に折れているハット。ソフトハット・チロリアンハット・フェドーラ・ホンブルグなどの種類がある。 |
ボーラーハット | 頭頂部が丸く、ツバが上向きになっているハット。フェルト製のものが多い。 |
クロッシェ | 頭頂部が丸く、ツバが下向きになっているハット。深く被るタイプのものが多い。 |
バケットハット | バケツを逆さにしたような形状のハット。頭頂部は平らで、ツバは短く下向きになっている。 |
同じハットでも、どの種類を被るかによって着物全体のコーディネートが大きく異なって見えます。さまざまな組み合わせを楽しんでみてください。
麦わら帽子
麦わら帽子とは、ハットの中でも特に藁をはじめとした植物素材で編まれたものを指します。円筒状で頭頂部が平らなカンカン帽や、頭頂部が内側に折れている中折れタイプ、ツバが大きく広がっているツバ広タイプなど、一口に麦わら帽子と言ってもさまざまな種類があります。
種類によって異なる着こなしをぜひ試してみてください。
キャップ
帽子の中でもツバが一部にしかついていないものをキャップと呼びます。キャップの中でも特に着物に合わせやすい3種類を紹介します。
キャップの種類 | 特徴 |
---|---|
ベースボールキャップ | 頭頂部が丸く、深く被るタイプのキャップ。多様な柄が特徴。 |
ジェットキャップ | 全5枚のパネルで構成されるキャップ。被りの浅さが特徴。 |
ワークキャップ | 頭頂部が平らで、浅く被るタイプのキャップ。ツバの短さが特徴。 |
キャップを合わせた着物のコーディネートは非常にカジュアルかつ現代的です。
ベレー帽
ベレー帽とは、ツバのない帽子の中でも、頭頂部が平らで上から見ると丸いフォルムをしているものです。画家や漫画家が被る帽子というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
また、ベレー帽と着物の組み合わせは観光地などで見かけたこともあるかもしれません。レトロなコーディネートをしたい方から人気の帽子です。
ニット帽
ニット帽は、ニット生地で編まれた帽子の総称です。頭頂部に装飾のついた「正ちゃん帽」や折り返しのない「ビーニー」、折り返しのある「ワッチキャップ」などがニット帽の主な種類です。
ニット帽を被ると、和洋折衷の中でも“洋”のテイストが強くなります。
ハンチング
探偵が被る帽子としてのイメージが広く浸透しているハンチング。上から見ると丸く、前に尖った形をしています。頭頂部から前頭にかけて傾斜している形状も特徴的です。
ハンチングは男女ともに着物と組み合わせやすい帽子です。被る向きが前向き・後ろ向きと異なるだけでも印象がガラッと変わります。
ヘアバンド
ヘアバンドは髪を留めるためのアイテムです。髪型が乱れないように前髪や横髪を固定するのが本来の役割ですが、顔周りに彩りを加える装飾品として使われることも増えてきています。
ハット×着物の合わせ方
着物にハットを合わせるとシックで大人らしい印象になります。
女性が着物時にハットを被ると、少々男性的なイメージが強くなることもあります。女性らしさを損なわずにハットのコーディネートを楽しみたい場合は、ハットの形状や色使いに気をつけてみてください。
参考となるコーディネート
鮮やかな色合いの浴衣に中折れハットを被ったコーディネートです。足元にピンク色のヒールを合わせることで女性らしさを演出しつつ、ハットで大人らしく全体をまとめています。帯やバッグなどの色が着物と統一されているため、デザインが派手でも悪目立ちしていない点が参考になります。
麦わら帽子×着物の合わせ方
麦わら帽子は夏の着物によく似合います。麻の着物や浴衣に合わせると涼しげな印象を演出できるでしょう。
参考となるコーディネート
紫陽花柄の浴衣にカンカン帽を合わせた夏らしいコーディネートです。兵児帯とカンカン帽の帯が黒で揃っていて統一感があります。夏のコーディネートの参考にしてみてください。
キャップ×着物の合わせ方
着物時に被るキャップは、控えめなデザインのものを選びましょう。大きなロゴが入っていたり、英文が目立つように記されていたりするキャップは着物との相性が良いとは言えません。できるだけシンプルなキャップを選ぶことがポイントです。
参考となるコーディネート
小紋にコーデュロイのキャップを合わせたコーディネートです。着物を着ているのにもかかわらず、ストリートファッションのような雰囲気を持ち合わせているのが面白いポイントです。
ベルトを帯代わりにしていたり、靴はスニーカーを履いていたり、インナーにフーディーを着ていたり、カジュアルなデジタル腕時計を付けていたり、リュックを背負っていたりと、様々な工夫が感じられます。
帽子をはじめとした小物を、こだわって選ぶことで着物のコーディネートの幅はいくらでも広がります。本コーディネートから色々な着想を得てみると良いでしょう。
ベレー帽×着物の合わせ方
着物に合わせるベレー帽は、豪華すぎないデザインのものを選ぶと良いでしょう。ベレー帽のデザインが目立ちすぎてしまうと、着物の良さが損なわれてしまいます。
足元や手元と色を統一すると、ワンポイントのアクセントとしてお洒落に際立つためおすすめです。
参考となるコーディネート
シンプルなデザインの紬に、黒のベレー帽を合わせたコーディネートです。紬の下には黒のタートルネックをインナーとして着ており、ベレー帽の黒とマッチしています。和洋折衷を上手く取り入れた、参考となるコーディネートです。
ニット帽×着物の合わせ方
ニット帽はニット生地で編まれているので、冬の着物に合います。
大胆な柄が入ったものは着物との相性が悪い場合があるので、無地で一色のニット帽を合わせるのがおすすめです。
帯、もしくは着物と同系色のニット帽を選ぶとまとまりのあるコーディネートとなりやすいです。
参考となるコーディネート
このコーディネートは、洋の要素を多く取り入れています。ニット帽だけでなく、着物の下にはインナーとしてフーディーを着ていたり、上にはニット生地のパーカーを着ていたり、さらにはファーの帯揚げを着けていたりする点が見どころです。
和と洋を上手く取り入れた自然なコーディネートをしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ハンチング×着物の合わせ方
ハンチングと着物を組み合わせる際は、いずれもカーキやグレーなど落ち着いた色合いのものを選ぶのがおすすめです。明るく鮮やかな色の着物とハンチングの組み合わせは、目立ちすぎてしまう場合があります。
参考となるコーディネート
木綿着物にハンチングを合わせたコーディネートです。ハンチングを被ることで、カジュアルながらに小粋な装いとなっています。足元は写っていませんが、同色もしくは黒色のスニーカーがよく似合うでしょう。
ヘアバンド×着物の合わせ方
ヘアバンドは、無地もしくは着物や帯と同じデザインのものを選ぶと全体としてのまとまりが出ます。
また、前髪をヘアバンドの下から出すと穏やかな印象に、上げるとハツラツとした印象になります。
参考となるコーディネート
グレーのシンプルな着物に、黒色で無地のヘアバンドを合わせたコーディネートです。
顔周りに装飾があるかないかで、与えるイメージは大きく変わるものです。本コーディネートにおいては、落ち着いた色合いのヘアバンドを用いることで引き締まった印象になっています。
明るい色合いのものや、花柄のデザインが入ったヘアバンドを合わせれば華やいだ印象に変化するでしょう。
まとめ
本記事では、着物と帽子の組み合わせについて解説してきました。
帽子は、カジュアルシーンに限り着物に合わせてOKです。フォーマルシーンの場合は着用しないのが無難です。
今回紹介した、着物に合うおすすめの帽子を改めて以下にまとめます。
- ハット
- 麦わら帽子
- キャップ
- ベレー帽
- ニット帽
- ハンチング
- ヘアバンド
記事内で紹介したコーディネートを参考に、帽子を取り入れた着物の着こなしを楽しんでみてください。
カジュアルな着物のコーディネートを実践的に学びたい方は、着付け教室で習うのもおすすめです。初心者でもはじめやすい着付け教室を以下の記事で紹介しているので、ぜひ併せてお読みください。