着物のワンポイントとして欠かせないアイテムの「帯揚げ」。
名前は知っていても、役割や特徴を知らない方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、帯揚げとは何かや帯揚げの選び方、帯揚げのメジャーな結び方の3点を分かりやすく紹介します。
帯揚げの知識を深めたい方はぜひ最後までお読みください。
この記事を読めば、帯揚げの基本はばっちりになりますよ。
帯揚げとは?役割や特徴を解説
帯揚げとは、帯枕や帯枕の紐を隠すためのアイテムです。
帯の上辺と着物の間に使われるため、コーディネートのワンポイントとしても活躍します。
帯揚げの種類は豊富で、主に以下の6つに分けられます。
- 綸子(りんず):光沢があり、薄くなめらかな生地
- 縮緬(ちりめん):重量感があり、ハッキリとした色が特徴的な生地
- 総絞り:ふんわりとしていて立体感のある生地
- 部分絞り:一部のみが絞られている生地
- 絽(ろ):しっかりとした素材ながらも、隙間が空いている生地
- 紗(しゃ):絽よりも密度の高い生地
上記6種類の帯揚げは、着物の種類や場面によって合わせ方が異なります。
どのように使い分けるのか、以下で確認していきましょう。
帯揚げの種類や色・柄の選び方~シーン別~
帯揚げの種類や色・柄の選び方を、4つのシーン別に解説します。
フォーマルな場面
結婚式や式典などのフォーマルな場面には、綸子や総絞りの帯揚げを合わせます。
着る着物が留袖であれば色は白色や金色・銀色を用いましょう。
訪問着や付け下げであれば淡め・薄めの色を使っても良いです。
帯揚げは色が薄いほどフォーマルな場面に向き、色が濃いほどカジュアルな場面に向きます。
カジュアルな場面
普段使いするカジュアルな場面には、縮緬や部分絞りの帯揚げが向いています。
色や柄は自由に選びましょう。
帯と着物の間に似合う色を、差し色として入れるとオシャレです。
迷った場合は着物と同色系の色を選べば無難です。
夏用着物
夏用着物には通気性の良い絽や紗の帯揚げが合います。
絽は、フォーマルな場面からカジュアルな場面まで幅広く活用できます。フォーマルな場面であれば白色や金色・銀色の帯揚げを用いましょう。
紗は、カジュアルな場面にぴったりです。色は涼しげな寒色系(水色や薄緑)か、着物と同色系の色を合わせましょう。
振袖
成人式に着る振袖には立体感があり華やかな総絞りの帯揚げを合わせます。
色や柄は成人する方の好みで選ぶのが最もおすすめです。
傾向としては、華やかで目立つものを用意されることが多いです。
なお、帯揚げの種類や選び方については、着付け教室でより実践的に学べます。帯揚げのマナーや、帯枕を使ったコーディネートを学びたい方は、教室に通うことも検討してみるのが良いでしょう。
帯揚げの結び方
帯揚げの結び方は「一文字結び」と「本結び」の2つが主流です。
それぞれ詳しく紹介します。
一文字結び
一文字結びとは、結び目を作らない帯揚げの結び方です。
結び方は下記のとおりです。
- 片側の帯揚げを1/3の幅に折る
- ①を帯の上部と着物との段差に重ねる
- 帯揚げの端を、脇の下あたりの帯に入れ込む
- 反対側の帯揚げも①~③と同じことをする
- 完成
結び方の中でも最もシンプルで、誰でも簡単にできるのでぜひ試してみてください。
本結び
本結びとは、帯揚げを体の前で結んで帯の中にしまう結び方です。
結び方は下記の通りです。
- 自分から見て右側の帯揚げを1/3の幅に折る
- ①をさらに半分に折る
- 折り目が上向きになるように帯揚げを折り返す
- ③を帯に挟み込んで仮留めをする
- 左側の帯揚げも①~④と同じことをする
- 仮留めしていた④(右側の帯揚げ)を外し、⑤(左側の帯揚げ)とクロスさせる。
この時、⑤(左側の帯揚げ)を上に重ねる - ⑤(左側の帯揚げ)を下から上に結び上げる
- 結び上げた帯揚げを真下に下ろす
- ④(右側の帯揚げ)を横向きに持ってきて、8の下から結ぶ
- 結び目を帯の中にしまう
- 余った帯揚げも帯の中へしまう
- 完成
結び目をキツく結びすぎると帯揚げ全体が歪んでしまうので、丁寧に扱うようにしましょう。
その他
上記2つ以外にも、カモメ結びやリボン結びなどさまざまな結び方があります。
カモメ結びは上品さを、リボン結びは可愛らしさを演出できます。
その他にも華やかさを演出するバラ結びや笠結びなどたくさんの結び方があるので、お気に入りの結び方を見つけてみてください。
まとめ
本記事では帯揚げの役割や種類、シーン別の選び方、結び方を解説しました。
帯揚げは目立つアイテムではありませんが、色・柄の選び方によって着物のコーディネート全体の印象を大きく変えられます。
あなた好みの帯揚げを身につけ、おしゃれを楽しんでみてください。
この記事が、帯揚げについて知りたい方の参考になれば幸いです。