「付け下げ」は着物のなかでも着まわしがききやすい種類です。
しかし、付け下げがどんな場面に合うのか、どう着こなしたら良いのか分からない方も多いでしょう。
そこで本記事では、付け下げとは何かや着用シーン・着こなし等をお伝えします。
付け下げについて知りたい方はぜひ最後までお読みください。
この記事を読めば、付け下げの効果的な活用方法が分かるようになりますよ。
付け下げとは
付け下げとは、左肩にワンポイント柄が入った着物のことです。
締める帯によって、結婚式や披露宴などのフォーマルな場面から、気軽なお食事会といったカジュアルな場面までさまざまなシーンで便利に使えます。
訪問着とよく似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか。下記で解説します。
付け下げと訪問着の違い
付け下げと訪問着は、柄の違いで簡単に見分けられます。以下の部分に着目してみてください。
- 袖や衿の縫い目をまたがずに独立したポイント柄が入っている:付け下げ
- 袖や衿の縫い目をまたいで柄が続いている:訪問着
柄が縫い目をまたぐ方が、着物の製作技術を要します。
そのため、訪問着の方が付け下げよりも格が高く、価格も高いことが多いです。
訪問着の格や着用シーン等については「訪問着とは?どんな時に着る?色留袖や付け下げとの違いも易しく解説 」の記事で詳細に解説しています。あわせてご確認ください。
付け下げはどんな時に着る?
付け下げは格式高いシーンからちょっとしたお出かけまで幅広い場面で着ることができ、どんな時に着べきるかは帯次第で変化します。
以下で詳しく確認していきましょう。
結婚式・披露宴(袋帯)
金や銀の煌びやかな袋帯を締めれば、付け下げは結婚式や披露宴の参列にもってこいの着物となります。
金や銀を多く用いた袋帯は格が高く、柄の少ない付け下げであっても豪華さを演出できます。
ただし、主賓として呼ばれている場合はより格の高い訪問着を着た方が良いかもしれません。また、新郎新婦の親であれば黒留袖、姉妹であれば色留袖を着るのが適しています。
参列する立場によって使い分けるのが賢明ですが、基本的には付け下げを着て問題ないでしょう。
袋帯についてより詳しくは「袋帯とは?名古屋帯との違いや結び方、3つのシーン別の選び方を解説」の記事をお読みください。
子供の入学式・卒業式・七五三・お宮参り(袋帯)
付け下げは、金や銀を多用した豪華な袋帯を締めれば子どもの式典にぴったりの着物となります。
入学式や卒業式・七五三・お宮参りなどですね。
主役の子どもに華を添える立場である一方、正式な場でもありますので、柄の主張が強くない付け下げに格式高い袋帯を合わせるのは最適と言えます。
観劇・お食事会・同窓会・祝賀会など(名古屋帯・洒落袋帯)
付け下げは、洒落袋帯や豪華な名古屋帯を締めれば普段使いにうってつけの着物となります。
洒落袋帯や名古屋帯は袋帯よりも格が低く、カジュアルシーンに合う帯だからです。
観劇やお食事会・同窓会・祝賀会などには特にぴったりでしょう。
なお、付け下げの着こなしや選び方については、着付け教室で本格的に学べます。これから着る機会が増えそうな方は、早めに通っておくと良いかもしれません。
付け下げは使い勝手が良くおすすめ!
付け下げは着物の中でも使い勝手が良く、このようなメリットがあります。
- 使えるシーンが多い
- コーディネートを楽しみやすい
- 年齢を問わず着用できる
それぞれのメリットを順に見ていきましょう。
使えるシーンが多い
上述のとおり、付け下げは1枚持っているだけでたくさんのシーンに使えます。
帯を変えるだけでフォーマルからカジュアルまで活用できるのでとても使い勝手が良いです。
コーディネートを楽しみやすい
付け下げは、帯や小物などのコーディネートを楽しみやすいです。
付け下げ自体の柄が少なくシンプルなため、帯や小物を変えるだけで一気に印象を変えられるからです。
小物と帯の色を揃えて統一感のあるコーディネートをしたり、夏には鮮やかな水色で爽やかなコーディネートをしたりなど、あなただけの着こなしを楽しんでみてください。
年齢を問わず着用できる
付け下げのメリットとして、年齢を問わず着用できる点が挙げられます。
柄がシンプルなので、帯や小物を変えるだけで年齢に合わせた印象に変えられるからです。
若いうちに購入した付け下げは、年を重ねた後も着続けられるでしょう。
母から子、子から孫へ世代を超えて着継ぐのにも向いています。
まとめ
本記事では付け下げの格や着用シーンついて解説してきました。
付け下げは、何よりも使い勝手の良い点がメリットと言えます。
新しく着物を仕立てようかと考えている方は、付け下げを選んでみてはどうでしょうか。
帯や小物使い分ければたくさんの場面で活用できますよ。
この記事が、付け下げについて知りたい方の参考になれば幸いです。