着物にどんなバッグを合わせるべきか分からず困っている方は多いのではないでしょうか。
本記事では、着物用バッグの種類6つと、着物の種類に応じたバッグの選び方を一覧表つきで解説します。記事の最後では着物を持ち運ぶためのバッグも紹介しています。
バッグ選びで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
着物用バッグの種類
着物に合わせるバッグの種類は、次の6つが主流です。
- クラッチバッグ
- ビーズバッグ
- 利休バッグ
- がま口バッグ
- かごバッグ
- 巾着
それぞれの特徴を見ていきましょう。
クラッチバッグ
クラッチバッグは、持ち手のついていない小さなハンドバッグです。
サイズが小さいため、ハンカチや財布・鍵など必要最低限のものだけを入れて使います。
必要時以外は、他の荷物とともに大きめのバッグに入れておくのが一般的です。
例えば結婚式に参列する場合、行き帰りは大きめのバッグを持ち、会場内ではクラッチバッグを使う、といったイメージです。
ビーズバッグ
ビーズの装飾が施されたビーズバッグは、カジュアルからフォーマルまでどんな場面にも合わせられます。形状や柄によっては洋服にも合わせられるでしょう。
ビーズの光沢で煌びやかに見えるので、華やかな印象を与えたいときに向いています。
ただし、ビーズと着物が擦れると生地を傷つけてしまう可能性があるので、使用する際は注意が必要です。
利休バッグ
利休バッグは着物に最も合うと言われています。横長の長方形で、小ぶりながらにマチが広い点が特徴です。
お茶会で使われることが多かったことから、茶人の「千利休」の名前を取って利休バッグと呼ばれるようになりました。
バッグの底が畳や床につかないようにするために、底鋲(そこびょう)がついているものもあります。
がま口バッグ
口金(つまみの付いた金具)がついたバッグをがま口バッグと呼びます。
小ぶりなものから大ぶりのものまで、さまざまな種類があります。
着物に合わせるがま口バッグは大きな柄が施されていることが多いため、若々しいイメージを与えられるでしょう。
かごバッグ
夏の着物には涼しげなかごバッグが合います。かごバッグの素材は竹やアタ・ラタンなどが主流です。
あくまで普段着向けのバッグなので、格が高い着物に合わせることはほとんどありません。
巾着
巾着は、カジュアルな場面向きのバッグです。
開口部の紐を縛ったり緩めたりすることで物の出し入れができます。紐は持ち手としても使われます。
ほとんどが丸いフォルムをしており、手まりのようでかわいらしい印象です。
着物のバッグの選び方
着物の種類によって、最適なバッグの種類や色・柄は変わります。
一覧表で最適なバッグの種類を紹介した後に、各着物に合うバッグの色・柄などの詳細を紹介します。
クラッチ バッグ | ビーズ バッグ | 利休バッグ | がま口 バッグ | かごバッグ | 巾着 | |
---|---|---|---|---|---|---|
黒留袖 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | × | × |
色留袖 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | × | × |
振袖 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | △ |
卒業袴 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
黒紋付 | 〇 | × | 〇 | × | × | × |
訪問着 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | × |
付け下げ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | △ |
色無地 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | △ |
小紋 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
紬 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
浴衣 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
黒留袖(くろとめそで)
黒留袖は、既婚女性が着る最高格の着物で、和装の第一礼装とされています。主に結婚式で新郎新婦の母親や仲人が着用します。
そんな黒留袖に合うのは、金色・銀色・白色ベースの小ぶりなバッグです。
また、結婚式のようなおめでたい場面では、殺生を連想させる革素材は使用しないのがマナーなので、布製のバッグを選ぶようにしましょう。
色留袖(いろとめそで)
色留袖とは、生地が黒色以外の留袖のことで、紋の数によって格の高さが変わります。主に親族の結婚式やお子さまの卒入学式で着用します。
最適なバッグは黒留袖と同じです。金色・銀色・白色ベースの小ぶりなバッグを選びましょう。
また、色留袖を結婚式に着ていく場合は、布製のバッグを選ぶことも忘れてはいけません。
振袖(ふりそで)
振袖は未婚女性の第一礼装で、主に成人式や卒業式で着用します。
第一礼装で格が高い着物ではありますが、成人式の場合はバッグを自由に選べます。
成人式は一生に一度の晴れ舞台ですから、好みの種類・色・柄のバッグを選んでください。
卒業袴(そつぎょうばかま)
卒業式の際に着る卒業袴には、どんなバッグも合わせられます。成人式の際に購入したバッグをそのまま使う方も少なくありません。
袴に合う種類・色・柄のバッグを選んでトータルコーディネートを楽しみましょう。
黒紋付(くろもんつき)
黒紋付は、不祝儀の際に着る黒一色の着物です。バッグも黒色のものを合わせます。
不祝儀のマナーとして、光沢があるものはNGなので、キラキラとしたビーズバッグや金具が光るがま口バッグなどを使ってはいけません。
また、殺生を連想させる革製のバッグも選ばないようにしましょう。
黒紋付には、布製でマットな黒色のバッグが最適です。
訪問着(ほうもんぎ)
訪問着は、友人の結婚式・お子さまの卒業式などのフォーマルな場面から、お食事会・観劇などのカジュアルな場面まで使える着物です。
着用シーンが幅広いため、持ち歩くバッグもTPOに合わせて変える必要があります。
例えば、結婚式に参列するなら金色・銀色のバッグが適していますが、お食事会に参加するなら色とりどりのバッグも選べます。
付け下げ(つけさげ)
付け下げは訪問着の次に格が高い着物で、お子さまの卒業式・七五三や、お食事会・観劇などに着ていけます。
訪問着と同じく着用シーンが多岐にわたるので、バッグもTPOに合わせて選びましょう。
フォーマル寄りの場面であれば金色・銀色が使われたバッグ、カジュアル寄りの場面であれば華やかな色・柄のバッグが適しています。
色無地(いろむじ)
色無地は白生地を黒色以外の一色のみで染めた着物で、紋の有無や締める帯の種類によって格が変化します。
バッグは訪問着・付け下げ同様、着る場面に合わせて変えることをおすすめします。
また、色無地は柄がなく非常にシンプルなので、柄が豊富なバッグを合わせるとアクセントになり、無地のバッグを合わせるとワントーンでシックな印象になるでしょう。
小紋(こもん)
生地全体に柄が入っている小紋は、主に普段着として着用します。
そのため、どのようなバッグを合わせても問題ありません。
バッグの柄を小紋の柄と合わせたり、無地のバッグで落ち着きを持たせたりと、コーディネートを楽しみましょう。
紬(つむぎ)
紬は、友人とのお食事会やお稽古ごとなどに着ていく普段着・おしゃれ着です。
格が高い着物ではないので、バッグの決まりもありません。
好きな種類・色・柄のバッグを選んでください。紬の生地で揃えて、全体の統一感を出すのも良いでしょう。
浴衣(ゆかた)
夏祭りや花火大会に着ていく定番の服装、浴衣。
浴衣には、巾着やかごバッグ・がま口バッグを合わせる方が非常に多いです。
もちろんクラッチバッグやビーズバッグ・利休バッグを合わせても問題ありません。
浴衣のデザインに合うバッグを選んでください。
着物を持ち運ぶバッグは何がおすすめ?
ここまでは着物に合うバッグを紹介してきましたが、ここからは着物を持ち運ぶためのバッグを紹介していきます。
着物を持ち運ぶバッグは以下の4つがおすすめです。
- 着物バッグ
- 紙袋
- キャリーバッグ
- 風呂敷
それぞれ詳しく説明します。
着物バッグ
着物バッグとは、着物を持ち運ぶための専用バッグです。
専用で作られただけあり、着物が収容しやすい構造になっています。着物にシワが付いてしまうリスクも少ないです。
価格は5,000円~10,000円程度で、そこまで高くありません。
着付け教室に通う予定の方は、着物を持ち運ぶ機会が非常に多くなるので、1つ持っておくと良いでしょう。
紙袋
着物は大きめの紙袋に入れて持ち運ぶこともできます。
しかし、紙袋では着物を固定できないので、中でずれてシワになる可能性が高いです。
持ち運んだ後に着る予定であれば、紙袋は使わない方が良いでしょう。
これからクリーニングに出すなどの状況であれば、紙袋で十分に事足ります。ただし、雨が降っているときは着物を濡らさないようにビニール袋などで包んで持ち運んでください。濡れると色落ちのリスクがあります。
キャリーバッグ
遠方に着物をもっていく際は、キャリーバッグを活用できます。着物以外の荷物と一緒に詰め込みましょう。
ただし、着物の周りにスキマが多いと中でずれてシワができてしまいます。タオルなどでスキマを埋めて、ずれないように工夫してください。
また、着物を詰め込みすぎると押し跡がついてしまうリスクがあるので、そちらも注意が必要です。
旅先などに着物を持っていく際は、何度か自宅で詰め込む練習をしましょう。
風呂敷
風呂敷で着物を持ち運ぶ方法は、「直接包む」と「箱ごと包む」の2種類があります。
直接包む場合は、帯→長襦袢→着物→帯揚げ→帯締めの順で重ねて包みます。着物のサイズに合わせて風呂敷の包み方を変えられるのがメリットです。中でずれないため、シワができづらいです。
ただし、持ち運ぶ際は水平を保つために風呂敷を両手で抱えることになるので、他の方法と比べると自由が利きづらいです。
車移動の方などは風呂敷を使うと良いかもしれません。
箱ごと包む場合は、大判の風呂敷で箱を包み、端を結んで持ち手を作ればOKです。別のバッグに移し替える手間が省けます。箱はサイズが大きい上に角ばっているので、周りとぶつからないように注意してください。
まとめ
本記事では、着物用バッグの種類6つと、着物の種類に応じたバッグの選び方、着物を持ち運ぶ為のバッグ4種類を紹介しました。
どんなバッグを選べば良いか、大体見当がついたのではないでしょうか。
ルール・マナーは守りつつ、あなた好みのバッグを選んでみてください。
この記事が、着物のバッグについて知りたい方の参考になれば幸いです。