未婚女性の第一礼装である振袖。卒業式や成人式で着る機会がありますが、帯の結び方で悩む方は多いです。
本記事では、振袖に合う帯の結び方を10種類お伝えします。
与える印象やオススメの人を紹介していますので、あなたに合う結び方を見つけ出してみてください。
記事後半では振袖の帯に関する注意点を3つ解説します。着崩れが心配な方は読んでおきましょう。
帯の結び方で振袖の印象は変わる
振袖は未婚女性の第一礼装です。成人式や卒業式・家族の結婚式で着るのが一般的です。
帯は金糸・銀糸を織り込んだ格の高い袋帯を合わせます。袋帯とは、長さ4m~4.5mの礼装用の帯のことです。
この袋帯ですが、柄や色が豊富なのはもちろん、結び方も多岐に渡ります。
そのため、同じ帯を使っても、結び方を変えるだけで与える印象をガラッと変えることができます。
与えたい印象に合わせて帯の結び方を変えてみてください。
成人式で振袖を着る方は、前撮り・後撮りと成人式当日で違う結び方をして楽しむのもおすすめです。
振袖の帯の結び方10選
本記事では、人気な振袖の帯の結び方を10種類紹介します。
- 立て矢結び
- 文庫結び
- ふくら雀結び
- 二重太鼓結び
- 花結び
- 蝶文庫結び
- 花流水矢(はなりゅうすいや)結び
- ダブルリボン結び
- 薔薇結び
- 孔雀(くじゃく)結び
1つずつ詳しく説明します。
立て矢結び
立て矢結びとは、左側の羽根を上に、右側の羽根を下にした結び方です。
斜めに横切る羽根を立て矢に見立てています。
かつては江戸時代の大奥で女中が締めていた帯結びです。
大胆に横切る斜めの形が華々しい印象を残すため、シンプルな振袖によく合います。
凛々しい印象や豪華な印象を残したい方におすすめです。
シルエットが縦長になるので、背の高い方にも似合いますよ。
文庫結び
文庫結びとは、左右の羽根が垂れ下がる結び方で、結び目がリボンのように見えます。
江戸時代に武家の女性が締めていた帯結びです。
浴衣などでも使われる定番の結び方で、どんな振袖にも合います。
清楚で上品な印象を残したい方におすすめです。
ふくら雀結び
ふくら雀結びとは、左右の羽根を両肩に向けて広げた結び方で、お太鼓の形はふっくらとしています。ふくら雀とは冬に丸く膨らむ雀のことです。
ふくら雀結びはフォルムがかわいらしいので、古典的な振袖にぴったりです。
やさしい印象や上品な印象を残したい方におすすめします。体型に関わらず、どんな方にも似合います。
二重太鼓結び
二重太鼓結びとは、お太鼓を二重にする結び方です。“喜びや幸せが重なるように“という願いが込められています。
訪問着や留袖でよく使われる結び方で、他の帯結びに比べて見た目がシンプルです。
成人式の振袖に合わせるには少々物足りないかもしれません。
結婚式や式典などに着て行く振袖に適しています。
二重太鼓の結び方について詳しくは、「袋帯~二重太鼓~の簡単な結び方を解説!必要なものや合わせる着物も」の記事をお読みください。
花結び
花結びは、ふくら雀結びにアレンジを加えた結び方です。
小さな結び目が可憐に咲く花に見立てられています。
また、左右の羽根の中心を帯締めで結ぶことで、2匹の蝶が花に止まっているように見えるのも特徴です。
かわいらしい振袖によく合います。華やかな印象を残したい方におすすめです。
蝶文庫結び
蝶文庫結びは、文庫結びの上に蝶結びを乗せた結び方です。
羽根が大きく広がっており、ボリューム感があります。
蝶に見立てた羽根が煌びやかなので、淡い色や落ち着いた色の帯でも華やかさを演出できます。
上品で大人らしい印象を残したい方におすすめです。
花流水矢結び
花流水矢(はなりゅうすいや)結びは、立て矢結びにアレンジを加えた結び方です。
基本的な結び方は立て矢結びと同じですが、花流水矢結びはたれ先を折り込みまずに垂らします。
そのため、立て矢結びよりもさらに豪華に仕上がります。
ヒップラインを隠したい方やスタイリッシュな印象を残したい方におすすめです。
ダブルリボン結び
ダブルリボン結びとは、大きなリボンに小さなリボンを重ねた結び方です。
シンプルな帯よりも、柄がたくさん入った派手な帯に適しています。
リボン二つが広がる後ろ姿はかわいらしく華やかです。
女の子らしさを前面に出したい方や、個性を押し出したい方におすすめです。
薔薇結び
薔薇結びとは、帯にひだを作って薔薇のように見せる結び方です。
美しいひだを作るためには、柔らかい生地の帯を使うのが一般的です。
優雅な印象や個性的な印象を残したい方におすすめです。
孔雀結び
孔雀(くじゃく)結びとは、羽根にひだをつけて左右に大きく広げた結び方です。
振袖だけでなく、七五三で使われることもよくあります。
帯が孔雀の羽根のように大きく広がっているため、見栄えは非常に豪華です。
ハッキリとした色・柄の帯によく合うでしょう。
とにかくゴージャスな印象を残したい方におすすめです。
振袖に合わない帯の結び方
ここまでは振袖におすすめの帯結びを紹介してきましたが、ここからは振袖に合わない帯結びを5つ紹介します。
- 一重太鼓結び
- 銀座結び
- かるた結び
- 角だし結び
- 貝の口結び
1つずつ詳細を見ていきましょう。
一重太鼓結び
一重太鼓結びとは、お太鼓を一重にする結び方です。
名古屋帯を用いた帯結びで、カジュアルな場面でしか使いません。
振袖のような格が高い礼装に合わせることはないので注意してください。
銀座結び
銀座結びは、「結ばずにねじるだけで帯を締められる」というコンセプトが起源の結び方です。
簡易的に結べる点が何よりも特徴で、主に小紋や紬で用います。
おしゃれ着に合わせる結び方なので、振袖には合わせません。
かるた結び
かるた結びとは、帯がかるたのように平らでスッキリとしている結び方です。着物初心者の方でも簡単に結べます。
背中部分にふくらみがないため、長時間座る用事の際は重宝します。
ただし、普段着に合わせる結び方なので、振袖には用いません。
角だし結び
角だし結びは、帯揚げや帯締め・帯枕を一切用いない結び方です。
見た目はシンプルで大人っぽいですが、振袖の格には合いません。
小紋や紬などの普段着でよく使われます。
貝の口結び
貝の口結びとは、帯が貝のような見た目をした結び方です。角帯や半幅帯を用います。
男性の着物や浴衣に合わせることが多いです。
振袖に合わせる袋帯では、貝の口結びをすることはありません。
振袖の帯結びの注意点
振袖を着た際は、帯に関して以下の3点に注意してください。
- 背もたれに寄りかからない
- 帯が緩んだらタオルを挟む
- 帯が下がったら上下両方から持ち上げる
順番に詳細を解説します。
背もたれに寄りかからない
背もたれに寄りかかってしまうと、せっかくの帯結びが潰れたりズレたりしてしまいます。
崩れてしまった帯を自分ひとりで元通りに戻すのは至難の業です。
美しく仕上げた振袖を最後まで綺麗に着こなすためには、椅子に浅く腰をかけて背筋を伸ばすよう意識しましょう。
もし背もたれに寄りかかりたい場合は、寄りかかった状態で姿勢を変えないようにしてください。
背もたれから体を離して姿勢を変えれば、帯の崩れを最小限に抑えられます。
帯が緩んだらタオルを挟む
振袖の帯が緩んできた場合、帯の下にタオルを挟んでください。帯と振袖の隙間を埋めることができ、帯のずれを防げます。
緩みに合わせてタオルの折る回数を変えましょう。
なお、調整用のタオルは薄手のものをおすすめします。厚手なタオルだと、帯の下に挟んだ際にきつくなりすぎる可能性があります。
帯が下がったら上下両方から持ち上げる
振袖の帯が下がってきたら、上下両方から帯を持ち上げましょう。
まずは下から押し上げ、その後に上から引き上げると元の位置に戻りやすいです。
元の位置に戻した後、緩みを感じるようでしたら帯の下にタオルを挟んでください。
まとめ
本記事で紹介した振袖の帯の結び方は次の10種類でした。
- 立て矢結び:凛々しく豪華な印象
- 文庫結び:清楚で上品な印象
- ふくら雀結び:上品でやさしい印象
- 二重太鼓結び:シンプルな印象
- 花結び:かわいらしく華やかな印象
- 蝶文庫結び:上品で大人らしい印象
- 花流水矢結び:スタイリッシュな印象
- ダブルリボン結び:女の子らしい印象
- 薔薇結び:優雅で個性的な印象
- 孔雀結び:ゴージャスな印象
あなたのイメージに合う結び方は見つかりましたでしょうか。
振袖を着付けてもらった際は、記事内で紹介した3つの注意点を忘れないようにしましょう。
この記事が、振袖の帯の結び方について知りたい方の参考になれば幸いです。