本ページでは、着物の着付けに必要なものを全てまとめて紹介しています。
何が必要なのか分からない方・不安な方は、本ページを基にアイテムを取り揃えましょう。
着物の着付けに必要なもの
着物の着付けに必要なものを、一覧にまとめました。
以下では、各アイテムの特徴を詳しく説明します。
- 着物
- 帯
- 長襦袢(ながじゅばん)
- 襟芯(えりしん)
- 半襟(はんえり)
- 伊達襟(だてえり)
- 肌襦袢(はだじゅばん)
- 裾よけ(すそよけ)
- 腰紐(こしひも)
- 伊達締め(だてじめ)
- 帯枕(おびまくら)
- 帯板(おびいた)
- 帯締め(おびじめ)
- 帯留め(おびどめ)
- 帯揚げ(おびあげ)
- 着物クリップ
- 草履(ぞうり)
- 下駄(げた)
- 足袋(たび)
- 羽織(はおり)
- 着物用バッグ
※クリックで飛べます。
着物
着物は大きく分けて11種類あります。TPOに合わせて着物の種類を選びましょう。
結婚式 | 不祝儀 | 卒業式・入学式 | 七五三 | お宮参り | 観劇・お食事会 | 同窓会 | 夏祭り | |
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打掛 | ◎ | – | – | – | – | – | – | – |
黒紋付 | – | ◎ | – | – | – | – | – | – |
振袖 | ◎ | – | 〇 | – | – | – | – | – |
黒留袖 | ◎ | – | – | – | – | – | – | – |
色留袖 | ◎ | – | 〇 | – | – | – | – | – |
訪問着 | ◎ | – | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | – | – |
付け下げ | △ | – | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | – |
色無地 | △ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | – |
小紋 | – | – | – | – | – | 〇 | 〇 | – |
紬 | – | – | – | – | – | 〇 | 〇 | – |
浴衣 | – | – | – | – | – | – | – | ◎ |
各着物の詳しい特徴については、「着物にはどんな種類がある?代表的な11種類と季節別の3種類を紹介」の記事をご参照ください。
帯
最高格の丸帯は、同じく最高格の黒留袖や色留袖に締めます。
次に格の高い袋帯は、色留袖・訪問着・付け下げ・色無地などのフォーマルな着物に合わせるのが一般的です。
カジュアルな帯である名古屋帯は、主に付け下げ・色無地・小紋・紬などに合わせます。
名古屋帯よりもさらにカジュアルな半幅帯は、小紋・紬・浴衣といった普段着着物に締めるのが一般的です。
付け下げや色無地の場合、締める帯の種類によって着物全体の格も変わります。袋帯を締めればフォーマルな場面へ適した格に、名古屋帯を締めればカジュアルな場面へ適した格に変化するのです。
長襦袢(ながじゅばん)
着物の下に着るインナーウェアのこと。絹や木綿・ポリエステルなどの生地が使われます。
素肌に直接着る肌襦袢とは違い、袖口や襟元からちらっと見えるのが特徴です。
役割としては、着物の防汚・露出防止・べたつき防止・防寒などがあります。着物の色や柄と合わせることでオシャレさを演出することも可能です。
襟芯(えりしん)
長襦袢の襟に差し込む細長い板のこと。襟の形を綺麗に整えるために使います。
プラスチック製やナイロン製・紙製など種類が豊富で、硬さや厚さを自由に選ぶことが可能です。
一度折り曲げると折り線の癖が襟にも出てしまうので注意してください。保管する際は丸めておくのが一般的です。
半襟(はんえり)
長襦袢につける襟のこと。着物や長襦袢の襟を保護し、汗・皮脂汚れが付くのを防ぐ役割があります。半襟には汚れが付きやすいので、着る度に洗濯して付け替えるのが一般的です。
また、半襟は着物の襟元からチラッと見えるので、コーディネートの一部にもなります。色・柄・素材にこだわって選びましょう。
大きさは、幅15cm~20cm程度、長さ100cm~110cm程度です。
伊達襟(だてえり)
着物を重ね着しているように見せかける襟のこと。またの名を「重ね襟(かさねえり)」。
襟元の色を重ねて、着物全体を華やかに演出する役割があります。半襟とは違い、必ず必要なものではありません。「喜びが重なりますように」という意味も込められているので、結婚式に参列する際などに多用されます。
大きさは、幅が約10cm~12cm、長さが約120cm~130cmです。
肌襦袢(はだじゅばん)
長襦袢の下に着る肌着のこと。素肌に直接着ます。
吸汗・防寒・防汚などの役割を持っています。長襦袢とは異なり、着物の外から見えることはありません。
上下で分かれている「セパレートタイプ」とワンピース型の「ワンピースタイプ」、裾よけと一体になった「スリップタイプ」の3種類が主な形状です。
素材には、綿や麻・絹・化学繊維などが使われます。生地はさらし・ガーゼ・クレープの3種類が一般的です。
裾よけ(すそよけ)
長襦袢の下に着る、下半身用の肌着のこと。素肌に直接着ます。
役割は肌襦袢とほとんど同じです。吸汗・防寒・防汚などが挙げられます。また、着物の裾捌きを良くするのにも役立ちます。
形状は、腰に巻いて使う「腰巻タイプ」とズボンのように履く「パンツタイプ」、スカートのように履く「スカートタイプ」が主流です。肌襦袢と一体になった「スリップタイプ」もよく使われます。
腰紐(こしひも)
着付けの際に使用する紐。着崩れを防ぐために、腰部で締めます。着付け中の仮抑えで使うこともしばしば。袖をスッキリとまとめる「たすき掛け」をする際にも腰紐は活躍します。着物で家事をする方には馴染み深いです。
素材は、主にウールモスリンやポリエステル・絹などを使用します。
また、最近では、腰紐の代わりにコーリンベルトを使用する方も増えてきています。もちろん使いやすい方を選んで良いですよ。
伊達締め(だてじめ)
襟合わせやおはしょりを押さえる幅広の紐。着付けを安定させるために使います。長襦袢の上に1本・着物の上に1本の計2本を使うのが基本です。
幅は7~10cm程度で、長さは80cm~200cmまで種類によって異なります。紐で結ぶタイプだけでなく、着脱が簡単なマジックテープ型やクリップ型のものもあります。
帯枕(おびまくら)
帯結びの際、お太鼓を形作るためのアイテム。お太鼓を華やかに見せたい場合は大きくて分厚い帯枕を、控えめに見せたい場合は小さくて薄めの帯枕を使うのが一般的です。
また、帯枕には紐タイプとガーゼタイプの2種類があります。
紐タイプは帯枕の両端に紐が付いている従来のタイプです。ガーゼタイプは、帯枕全体をガーゼが包んでいます。初心者の方でも使いやすく、近年人気を集めているタイプです。
帯板(おびいた)
帯のシワを防ぎ、形を整えるための板。伊達締めと帯の間に入れて使うアイテムです。
帯板には、前板(まえいた)・後板(うしろいた)の2種類があります。
前板は、帯を結ぶ際に体の前面に入れて使います。後板は、変わり結びを美しく見せる目的で体の背面に入れて使うのが特徴です。お太鼓結びには使用しません。
また、フォーマルな着物には幅広で長い帯板を、カジュアルな着物には幅狭で短い帯板を使うのが一般的です。
帯締め(おびじめ)
帯を固定し、崩れないようにするための紐。着付けの最後に帯の真ん中で結びます。帯締めを使用するのは女性のみで、男性は使用しません。
帯締めには平組・丸組・角組の3つの格があり、着物の格に合わせて使い分けます。
また、帯締めは3,000以上の種類がある点も大きな特徴です。
組目が細かく、金糸や銀糸を用いる「高麗組(こうらいぐみ)」や、組目がさざ波のように見える「笹浪組(さざなみぐみ)」が有名です。
着物の格やデザインに合わせて、最適な帯締めを選ぶ時間はとても楽しいですよ。
帯留め(おびどめ)
帯締めにつけるアクセサリー。季節のモチーフを付けたり、イベントに合うモチーフを付けたりと、お洒落をより一層楽しめるアイテムです。
元々は帯締めの留め具として使われていました。現在は装飾品としての扱いなので、必ず使う必要ははありません。
帯留めを付ける際は、三分紐という細くて短いシンプルな帯締めを使います。
通常の帯締めが長さ150cm程度・幅12mm程度なのに対し、三分紐は長さ130cm程度・幅9mm程度となっています。
帯揚げ(おびあげ)
帯枕や帯枕の紐を隠すための布。帯の上辺と着物の間から見えるので、コーディネートのワンポイントとしても活躍します。
生地の種類が豊富な点も特筆すべきポイントです。綸子(りんず)・縮緬(ちりめん)・総絞り・部分絞り・絽(ろ)・紗(しゃ)の6種類がよく使われます。これらは、TPOや着物の格によって生地を選び分けるのがマナーです。
また、帯揚げは結び方も数種類あります。一文字結びや本結び・カモメ結びなどで結ぶのが主流です。
着物クリップ
着物の背中心(せちゅうしん)を合わせるためのクリップ。背中心とは、着物の背中側にある縫い目のことで、左右の布の真ん中に位置しています。お太鼓や帯ヒダを固定するときや、裾を上げるときにも活用可能です。着付けが完成したら外すのを忘れてはいけません。
特大・大・小の3サイズがあり、基本的には大サイズを使用します。
取り忘れ防止に鈴が付いているものや、親指に力を入れやすいカーブ型のものなど、種類が多い点も特徴的です。
草履(ぞうり)
着物に合わせる履き物。底が平らで、鼻緒が付いている点が特徴です。
フォーマルな場面では、金・銀・白色ベースで高さ5cm以上の草履を履きます。カジュアルな場面では、好きな色・高さの草履を選んでOKです。
素材は、革や麻などが主流となっています。
下駄(げた)
カジュアルな着物に合わせる木製の履き物。
鼻緒があり、底には歯がついているものが多いです。中には底が平らな下駄もあります。
下駄はカジュアルな履き物なので、フォーマルな場面には履きません。夏の普段着や浴衣に合わせて履くのがおすすめです。
足袋(たび)
草履の下に穿く靴下のようなもの。草履の形状に合わせて、指先が二股に分かれています。
礼装時は白色の足袋を、普段着では色や柄がついた足袋を選ぶのが一般的です。
素材は綿・麻・正絹などがあります。着物の格や季節に合わせて穿き分けましょう。
羽織(はおり)
着物の上に羽織るアウター。防寒・防汚・おしゃれさの演出といった役割があります。
洋装で言うカーディガンなので、室内でも着用OKです。
また、羽織は長さ・季節・柄別に種類が分けられます。全部で10種類あり、それぞれ着用に適したシーンは異なります。
着物用バッグ
着物時は洋装時とは異なり、着物用バッグを使用します。クラッチバッグ・ビーズバッグ・利休バッグ・がま口バッグ・かごバッグ・巾着の6種類が主流です。TPOや着物の格に合わせて使い分けます。
おわりに
本ページでは、着物の着付けに必要な物を全てまとめてご紹介しました。
足りない物があった方は、忘れないうちに買っておきましょう。
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