着付けを習いたいと考えている方の中には、大手やチェーンではなく個人経営の着付け教室を検討している方もいるでしょう。
個人経営の着付け教室には良い点もありますが、注意点もあります。大手やチェーンと比較したメリット・デメリットを3つずつ紹介するので、ぜひ着付け教室選びの参考にしてください。
記事後半では、おすすめの着付け教室と、教室を選ぶ際のポイントも解説しています。
個人経営の着付け教室にかかる料金
個人経営の着付け教室にかかる料金は、全4~8回で30,000円~50,000円程度が相場です。
レッスン1回ごとに料金を設定している教室もあれば、大手同様コース全体で料金を設定しているところもあります。
レッスンにかかる受講料は、大手と比べると高めに設定されている傾向です。ただし、入学金やレンタル費がかからないケースも多く、費用形態としては分かりやすくなっています。
個人経営の着付け教室ってどうなの?口コミ・評判を調査
そもそも個人経営の着付け教室は、一般的にどのような評価を受けているのでしょうか?
個人経営の着付け教室に通う方の声を調査してみました。
まずは良い内容から紹介し、次に悪い内容を紹介していきます。
良い口コミ・評判
個人などがやっている着付け教室。これは一回数千円、一人で着られるようになるまで数万円かかるかと思います。着物の販売はないことが多いです。お若い先生を探せば、生徒さんもお若い方が多いかと。
YouTubeで人気のきものすなおさんも京都の方ですね。予約取れなそうだし、お高いかもしれませんが、興味はあります。TwitterやInstagramで教室を宣伝しているような方なら、お若くて、コーディネートも教わったりできるでしょうから、お金の問題がクリアできればいいと思いますよ。
引用:Yahoo!知恵袋
自分に合ったレッスンをしてもらえた、という内容の口コミが多く見受けられました。
大手やチェーンと違って決まったカリキュラムがないので、自分のペースで着付けを学びたい方は個人経営の着付け教室に通うのが良いでしょう。
悪い口コミ・評判
個人でやっている教室もあります。自宅でとか公民館の1室でとか。
先生もいろいろで、サークル感覚でほのぼのな教え方の人から、和裁まで詳しく着物の直しも引き受けてくれちゃうような人も。そして、すごく親切で教え方が上手な人もいますが、教えることに向いてないような人、自分の都合ですぐ休みにしちゃう人もいます。あと、いきなり「夫の転勤なんで来週で終わりです」とかね。
引用:Yahoo!知恵袋
悪い口コミでは、スケジュール面や講師との相性を懸念する内容がありました。
また、着物の押し売りがないことを理由に個人経営の着付け教室を選ぼうと考える方もいるかもしれませんが、個人経営であっても販売されることはあります。着物を販売されるかどうかは、大手やチェーン・個人経営に関係なく、着付け教室次第であると言えるでしょう。
個人経営の着付け教室に通うメリット
上記の口コミ・評判を踏まえて、個人経営の着付け教室に通うメリットを3つにまとめました。
- 講師と仲良くなりやすい
- カリキュラムの自由度が高い
- 周りの目が気になりづらい
それぞれ詳しく説明します。
講師と仲良くなりやすい
個人経営の着付け教室は通常マンツーマンで授業が行われるため、講師と仲を深めやすいです。自宅で開講されるケースも多いので、アットホームな雰囲気を感じやすいのかもしれません。
また、講師によっては着付け以外の会話や相談もしやすく、より親密な関係を築ける場合もあります。着物を着て一緒に出かけたり、イベントに招待されたりすることもあるでしょう。
ただ着付けを学ぶだけでなく、着付けを通して良好な人間関係を構築していけるのが個人経営の着付け教室のメリットです。
ただしこのメリットは表裏一体で、講師との相性が悪いと非常に通いづらくなってしまうのも事実です。通い始める前には必ず相性を確かめておきましょう。
カリキュラムの自由度が高い
大手やチェーンとは異なり、個人経営の着付け教室は決まったカリキュラムを設けていないケースが多いです。
大手・チェーンではカリキュラムに沿ってどんどん授業が進んでいきますが、個人経営の場合、苦手な部分があれば次に進まず、できるようになるまでじっくりと教えてもらえます。
また、学びたい着付け方法や帯結びを重点的に教えてもらうことも可能です。
自分のペースで着付けを習得できるのは個人経営ならではの特徴と言えます。
周りの目が気になりづらい
個人経営の着付け教室は、マンツーマンかつ講師の自宅でレッスンが行われることが多いので、周りの目を気にせず勉強できるのがメリットです。
大手・チェーンで個人レッスンに対応しているところもありますが、周りで集団授業が行われているとどうしても視線が気になってしまう方もいるでしょう。
個人経営の着付け教室ではそのような心配がないので、自身のことだけに集中でき、結果的に効率良く着付けスキルを身につけることができます。
個人経営の着付け教室に通うデメリット
個人経営の着付け教室のメリットは上述したとおりですが、デメリットがあることも忘れてはいけません。代表的な3つのデメリットをまとめました。
- 大手に比べて費用が高め
- スケジュールが限定的
- 着物はレンタルできない場合が多い
1点ずつ解説していきます。
大手に比べて費用が高め
個人経営の着付け教室は、大手やチェーンと比べて、1回あたりの授業料が高めに設定されているケースが多いです。
費用は高いですが、自分の学びたい箇所を重点的に教わることができるといった柔軟な対応をしてもらえるので、コストパフォーマンスとしては悪くないでしょう。
少ないレッスン数で着付けを習得できれば、トータルで支払う費用もそこまで高くなりません。
スケジュールが限定的
個人経営の着付け教室は講師が1人なので、大手やチェーンと比較するとどうしてもスケジュールが限定的になってしまいます。曜日や時間帯を合わせるのが難しく、通いづらい場合があります。講師の都合で突然閉校してしまう可能性もあるでしょう。
反対に、個人経営の特性を活かし、早朝や深夜にレッスンを行っている教室もあります。大手やチェーンのスケジュールだと通えない方は、早朝・深夜に開講している個人経営の着付け教室を探してみると良いでしょう。
着物はレンタルできない場合が多い
個人経営の着付け教室では着物を貸し出していない場合が多いです。着付け道具を持っていない初心者の方は、まず購入して一式揃える必要が出てきます。
レンタル制度のある大手やチェーンより、初期費用が高くつく点は注意が必要です。
とはいえ、着付け道具を一式揃えておくと、レッスン外でも自習しやすくなるので、レンタルできないことが必ずしもデメリットとは言えません。
個人経営の着付け教室が向いている人・向いていない人
ここまで解説したメリット・デメリットをもとに、どのような方が個人経営の着付け教室に向いているかを紹介します。
- 自分のペースで着付けを習いたい人
- 周囲の目線が気になる人
- ひと通り着付けはできるが、苦手な部分を習い直したい人
周りと同じペースで進む授業ではなく、自分のペースで着付けを教わりたい方は個人経営の着付け教室が向いています。決まったカリキュラムがないので、苦手な部分を重点的に習い直したい方にもぴったりです。
また、個人経営の着付け教室は周囲の目線が気になる方にも向いています。講師の自宅でマンツーマンレッスンを受けられるため、周りを気にせず自分の着付けに集中できます。
- できるだけ費用を抑えて着付けを学びたい人
- 規則的なスケジュールで教室に通いたい人
- 初心者で、まずは着付けの流れを全体的に理解したい人
上記にあてはまる方は、個人経営の着付け教室よりも、大手やチェーンの着付け教室が向いています。
大手・チェーンの着付け教室であれば、1レッスン500円のお手頃価格で受講できるところや、着物を無料でレンタルできるところも多いです。
授業の時間帯が規則的なので、スケジュールも組みやすいでしょう。
また、大手やチェーンの教室には決まったカリキュラムがあるため、着付けの全体の流れを理解するのにも最適です。
基本はグループレッスンなので、個人単位の苦手な部分で授業を止めてもらうことは難しいですが、コースのゴールや授業のテーマが明確に定められているため、学習を進めやすくなっています。
ということでここからは、個人経営と大手のおすすめ着付け教室を紹介していきます。メリット・デメリットや、向いている人・向いていない人の解説を踏まえて、自身に合いそうな方を読み進めてみてください。
個人経営の着付け教室をご紹介
ここまで解説したメリット・デメリットを踏まえた上で、「個人経営の着付け教室に通いたい!」と考えた方に向けて、おすすめの着付け教室を紹介します。
【東京】きものスマイル 秋桜
きものスマイル 秋桜は、東京都の月島駅から徒歩3分に位置する個人経営の着付け教室です。生徒自宅への訪問レッスンもあるので、月島駅へのアクセスが不安な方でも着付けを習いやすいでしょう。
19年間教員を務めてきた梶原淳子講師が、プライベートレッスンを中心にわかりやすく教えてくれるのも特徴です。初めてで上手く覚えられるか不安な方におすすめします。
費用 | 46,200円 / 全7回 |
時間帯 | 【火~日曜日】 9:00~11:00 11:00~13:00 13:30~15:30 15:30~17:30 |
アクセス | 〒104-0052 東京都中央区月島1丁目 月島駅より徒歩3分 |
無料体験 | 〇 |
【横浜】着物着付け教室 着cocoro
着物着付け教室 着cocoroは、個人経営ながらにたくさんのコースが設けられています。
「初めて着付けを習う方向け」「カジュアル着物を着たい方向け」「着付けの美しさを見直したい方向け」など細かな目的に合わせたコースがあるので、着付けを学ぶ目的が明確に決まっている方におすすめです。
レッスンの日時を知りたい場合は、公式サイトより問い合わせてみてください。
費用 | 48,000円 / 全6回 |
時間帯 | 要問合せ |
アクセス | 横浜(※詳細は申込完了後に連絡) 横浜駅西口から徒歩17分・バス10分・タクシー5分 |
無料体験 | × |
【京都】きもの着付け教室いしはら
きもの着付け教室いしはらは、回数券制で好きな回数だけ通えます。
すべて個人レッスンで、日時は9:00~20:00の間で自由に選択できます(1回90分)。また、レッスン内容を習熟度や目的に応じてカスタマイズしてもらえるのも嬉しいポイントです。
京都で個人経営の着付け教室を探している方は、ぜひ1度レッスンを受けてみてください。4,500円で体験できます。
費用 | 16,000円 / 4回 23,000円 / 6回 ※回数券制 |
時間帯 | 1回90分 9:00~20:00の間で相談可能 |
アクセス | 〒604-0052 京都府京都市中京区押油小路町246-2 烏丸御池駅から徒歩約7分、二条城前駅から徒歩約5分 |
無料体験 | × 有料(4,500円) |
【名古屋】ふぇりちた
ふぇりちたは、“身体を整える着付け”を教われる教室です。「着物は苦しい」「着付けは大変」と思っている方でも、心地よく着物を着るコツが学べます。
また、不器用な方を対象にした独自のメソッドを採用しているため、学びのペースがゆっくりの方でも着実に上達できるでしょう。
緑区教室・藤が丘教室と2つあるので、通いやすい方を選んでみてください。
費用 | 36,000円 /全6回 |
時間帯 | 木曜午前クラス 10:00~12:00 |
アクセス | ■緑区教室 名古屋市緑区浦里(※詳細は申込完了後に連絡) 本星崎駅より徒歩10分 ■春日井教室 JR中央線「高蔵寺駅」まで送迎あり(※詳細は申込完了後に連絡) |
無料体験 | × |
【大阪】田坂着付け個人教室
田坂着付け個人教室は月謝制の着付け教室です。月7,000円で8時間のレッスンを受けられます。レッスン時間は繰り越し可能なので、忙しい方でも通いやすいでしょう。
また、同教室の珍しいポイントとして、レッスン内にランチタイムやティータイムがある点が挙げられます。生徒同士、そして講師との仲を深めやすい制度となっています。
アットホームな着付け教室で学びたい方にぴったりの環境です。
費用 | 月謝:7,000円 入会金:3,000円 |
時間帯 | 【月曜〜金曜】 10:15~14:15(ランチタイムあり) 【土曜】 13:00から17:00(ティータイムあり) |
アクセス | 〒562-0036 箕面市船場西3丁目6番 千里中央駅よりバスで10分、徒歩で20分 |
無料体験 | × |
大手の着付け教室をご紹介
個人経営の着付け教室のメリット・デメリットを踏まえ、「大手に通いたい!」と考えた方に向けて、おすすめ着付け教室5選をお伝えします。
典雅きもの学院
典雅きもの学院は、60年以上の伝統を持つ着付け教室です。全国展開しているため、近くの教室は比較的見つけやすいでしょう。
カリキュラムの種類が豊富で、目的ごとにコースを選び分けられる点も典雅きもの学院の魅力です。自分に合ったコースがあるか、確認してみてください。
費用 | 3,300円 / 全6回 |
時間帯 | 10:30~12:00 13:30~15:00 15:30~17:00 ※水曜は定休日 (青いとり横浜校) |
無料体験 | 〇 |
いち瑠
いち瑠は初心者向けの着付け教室です。生徒の9割が初心者で、年齢層は10代~70代まで幅広い点が特徴です。
振替自由・レンタル無料・少人数制と通いやすい条件が整っているため、どこが良いか迷っている場合は候補に入れておいて間違いないでしょう。
気になる方は一度無料体験レッスンに参加してみることをおすすめします。
費用 | 4,000円(税込) / 全8回 |
時間帯 | 11:30~13:30 15:00~17:00 19:30~21:30 ※月曜・火曜は定休日 (横浜駅前校) |
無料体験 | 〇 |
日本和装
レッスン料無料で有名な日本和装。テレビCMなどで、名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
教室数の多さも特徴で、全国に400店舗以上展開しています。近くに通いやすい着付け教室がない場合でも、日本和装の教室なら見つかるかもしれません。
ただし、日本和装には押し売りの悪評も少なくないため、通う際には注意が必要です。
費用 | 0円 / 全6回 |
時間帯 | 10:00~12:00 13:30~15:30 19:00~21:00 ※火曜・金曜・日曜は定休日 (横浜スカイビル教室) |
無料体験 | 〇 |
長沼静きもの学院
長沼静きもの学院は、男性でも通いやすい着付け教室です。男性専門のコースがあるため、他教室で通いづらさを感じた方でも心配ありません。
その他にも、日本の伝統的なアクセサリー作りを学べる「くみひも科」や自分のペースで通いたい方向けの「プレミアムプラン」などさまざまなコース・プランがあります。
気になるコースの無料体験レッスンに参加してみてはいかがでしょうか。
費用 | 30,800円 / 全8回 |
時間帯 | 10:00〜12:00 14:00〜16:00 18:30〜20:30 ※日曜は定休日 (横浜校) |
無料体験 | 〇 |
きものレディ着付学院
きものレディ着付学院は、本科8回の授業を無料で受講できます(教室管理費2,800円、レンタル料金4,400円は別途発生)。
進級後は費用がかかりますが、最初の8回を無料で受けられる制度があると、一歩踏み出すハードルも下がりやすいのではないでしょうか。
関東・東海地方に展開している着付け教室なので、近所に通えるところがないかチェックしてみてください。
費用 | 0円 / 全8回 |
時間帯 | 9:00~17:30の間で、1回90分 ※詳細は要問合せ (横浜校) |
無料体験 | 〇 |
【個人・大手共通】着付け教室を選ぶポイント3つ
ここまで読み進め、通いたい着付け教室は見つかりましたか?個人・大手どちらに通う場合も、教室選びの際には共通して確認しておきたいポイントが3つあります。
- アクセス
- スケジュール
- 受講にかかるすべての費用
それぞれ詳しく説明します。
アクセス
着付け教室を選ぶ際は、自宅や職場からのアクセスを確認しましょう。
特に個人経営の着付け教室は講師の自宅で開講されることが多いので、特急・快速の止まらない駅に位置していたり、駅から遠かったりする場合があります。
着付け教室に通う際には着物・帯などの重たい道具を持ち歩くことになるので、アクセスが悪いと継続して通うのが大変になってしまいます。モチベーションが下がる原因にもなり得るでしょう。
着付けを習得するためには、継続して通いやすい教室を選ぶことをおすすめします。一度実際に訪問し、通いやすいアクセスかどうか体感しておきましょう。
スケジュール
通う着付け教室を決める上で、スケジュールのチェックは欠かせません。いくら他の条件が良くても、通える時間帯がなければ着付けを学ぶことはできないからです。
ご自身の通える時間帯を整理し、教室の開講スケジュールと照らし合わせてみてください。
多くの着付け教室は平日の昼間に授業を行っていますが、中には早朝・夜間に対応しているところや、土日に授業を行っているところも少なくありません。
また、生徒が授業の日時を指定できる教室もあります。 スケジュールが不規則で定期的な通学が難しい方は、授業日時を柔軟に調整できる着付け教室を選ぶのが良いでしょう。
受講にかかるすべての費用
教室によって、着付けの習得にかかる費用は大きく異なります。授業料をはじめとし、入学金・試験代・教材費・レンタル費などの費用は教室ごとにそれぞれ設定されているからです。
通いたい着付け教室の候補がある程度決まったら、合計でどれくらいの費用がかかるか計算してみましょう。授業料が安くても、入学金や試験代が高く想像以上に費用がかかるケースもあります。
合計金額を計算したら、次はそれが自身の予算内に収まるかチェックしてみてください。予算を大幅に上回る場合は、他の着付け教室を検討し直した方が良いかもしれません。
着付け教室は講師との相性がすべて
上記では、個人経営・大手で共通する着付け教室の選び方を3つ紹介しましたが、それよりも重要なのが講師との相性です。着付け教室に通う上では、講師との相性が何よりも大切です。
相性が合わないとレッスンが苦痛になったり憂鬱になったりし、ストレスを抱えることになってしまいます。特に個人経営の着付け教室の場合、講師の変更ができないので注意が必要です。
自分に合う教室を見つけ、楽しく着付けを習得するためには、必ず体験レッスンに参加してから入学するかどうか決めましょう。
おわりに
本記事では、個人経営の着付け教室のメリット・デメリットや、向いている人・向いていない人を紹介しました。記事後半では、個人経営・大手それぞれのおすすめ着付け教室を紹介しましたが、通いたいところは見つかりましたか?
【個人の着付け教室】
【大手の着付け教室】
アクセス・スケジュール・費用の3点を必ずチェックした上で、自分に合う着付け教室を選んでみてください。複数の候補から選ぶ際は、体験レッスンに参加して選ぶことをおすすめします。