成人式や結婚式、もしくは観光地などで着物を着る際に、どんなポーズをしたら美しく見えるのか気になっている方は多いのではないでしょうか。
着物姿が美しく見えるポーズにはコツがあります。本記事では、着物時の立ち姿を美しく見せるコツを7つお伝えします。立ち姿以外のポージングも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
【基本の立ちポーズ】着物姿を美しく見せるコツ
着物の立ちポーズを美しく見せるためには、以下の7点を意識しましょう。
- 上から引っ張られている感覚でまっすぐ立つ
- 肩甲骨を寄せる
- 顎を引く
- お腹に力を入れる
- 肘を張らない
- 袖を持ってからポージングする
- 指先を揃える
1点ずつ詳しく解説していきます。
上から引っ張られている感覚でまっすぐ立つ
着物を着たときに、巻き肩・猫背だと不健康そうな印象になってしまいます。上から引っ張られているような感覚でまっすぐ立ち、姿勢を正しましょう。
背筋がピンと伸びているだけで明るい印象になりますし、スタイルもよく見えます。
肩甲骨を寄せる
まっすぐ立つことを意識すると、胸を開いたりお腹を突き出したりしてしまう方が多いです。しかし、いくら姿勢を正していても、胸を開いた姿勢やお腹を突き出した姿勢だとかえって太って見えてしまいます。
そこで、まっすぐ立った後は肩を下におろしながら肩甲骨を寄せましょう。難しい方は、肩を後ろに回しながら肩甲骨を寄せてみてください。首を長く見せるイメージで行うとさらに実践しやすくなります。
肩甲骨を寄せることで、肩幅が広い方やいかり肩の方でもなで肩に見せることができ、着物が似合うスタイルになることができます。
顎を引く
頭が前に出ていると顔が大きく見えてしまいます。横から見ても不自然です。
また、顔が下を向きすぎていると暗い印象になり、上を向きすぎていてもだらしない印象になってしまいます。
顎をグッと引き、頭と顔を正しい位置に置きましょう。なお、「顎を引く」とは、顎だけを下げる行為を指しません。顎だけを下げると顔周りにたるみが出たり、目線が上向きになって怖く見えたりしてします。
頭ごと後ろに引く行為が正しい「顎を引く」です。耳と肩のラインを揃えるようなイメージで顎を引いてみてください。
お腹に力を入れる
着物姿で立ちポーズをとる際は、下腹部にグッと力を入れましょう。
お腹の力が抜けていると骨盤が後傾してしまい、お腹がぽっこりと出て見えてしまいます。反対に、骨盤が前傾してお尻が突っ張りすぎてしまうこともあります。
着物姿が美しく見える条件は、全身が円柱型であることです。お腹やお尻が出っ張っていると不格好に見えるので、凹凸ができないよう下腹部に力を入れ、円柱型のスタイルをキープましょう。
肘を張らない
着物を着たときに肘を張ると、脇が開いて身八つ口(みやつくち)から素肌が見えてしまいます。
また、肘を張るといかり肩に見えやすくなり、着物が似合いづらくなるというデメリットもあります。着物のはんなりとしたイメージとかけ離れてしまうでしょう。
着物を美しく見せるためには、肘を張らずに軽く脇を締めて立つようにしましょう。
この際、脇をキツく締めすぎると肩があがってしまいます。卵を一個挟んでいるような感覚で、ふわっと脇を締めるのがおすすめです。
袖を持ってからポージングする
着物の立ち姿で写真撮影をする際は、袖を持ってからポージングしましょう。
ただ腕を下ろすだけだと袖が広がって見え、ぼてっとした印象になってしまいます。
反対に、指先で袖を持ってから腕を下ろすとシルエットがスッキリとして見えます。腕を下ろして手を揃えた後は、袖を離してOKです。
小さな工夫ではありますが、これを行うだけでスタイルは大きく見違えます。
指先を揃える
着物の立ちポーズでは、手を体の前で揃えるのが基本です。帯の下線やおはしょりのあたりで手を揃えます。
この際、揃えた手の指先が開いていると幼い印象になってしまうので注意してください。
指先をふわっと揃えると、大人らしく落ち着いた印象になります。
- 上から引っ張られている感覚でまっすぐ立つ
- 肩甲骨を寄せる
- 顎を引く
- お腹に力を入れる
- 肘を張らない
- 袖を持ってからポージングする
- 指先を揃える
着物姿を美しく見せるポーズは上記の通りですが、正しいポーズが取れているか不安な方もいるでしょう。そのような方は、プロから直接指導してもらうことをおすすめします。
直接教わることで良い点や改善点が明確になり、より綺麗に着物を着こなせるようになりますよ。
【シーン別】着物ポーズのコツ
立ち姿以外でも、着物を美しく見せたいシーンは多々ありますよね。
今回は、写真撮影時によくある3つのポーズを厳選し、美しく見せるコツを紹介します。
- 2人以上で撮るポーズ
- イスに座るポーズ
- 背中を見せるポーズ
順番に詳しく見ていきましょう。
2人以上で撮るポーズ
2人以上の団体で着物を撮影する際は、左肩を前にして一列で横並びになるのがおすすめです。前に立つ方の腕に手を添えたり、袖を持って柄を見せたりするポーズをすれば、統一感が出て美しく見えます。
2人の場合は、体を向き合わせるポーズも良いでしょう。
2人で小物を持つポーズや、背中を見せるポーズも綺麗に写ります。背中を見せるポーズのコツは後述しますので、ぜひ参考にしてください。
イスに座るポーズ
イスに座るポーズを美しく見せるためには、まず座り方が重要です。正しく座れてからポーズをとりましょう。
イスの座り方
右手で上前を軽く引き上げながら座りましょう。上前を引き上げることで裾がまとまり、整った座り姿に見えます。反対に、何もせず座ると裾が広がってだらしなく見えるので注意が必要です。
着席後は、指先で袖を持ちながら手を揃えましょう。袖の広がりを抑えることができ、全体のシルエットがスッキリします。
また、イスに座る際に最も重要なのが「浅く腰掛けること」です。深く腰掛けたり、背もたれに寄りかかったりすると帯が潰れて着崩れを起こしてしまいます。
座った後のポーズ
正しくイスに座れたら、次は美しく見せるポージングです。スタイル良く写るには、脚の位置が大切になります。
大前提として、まずは脚を必ず揃えてください。開いたりぶらぶらさせたりしてはいけません。
次に、脚は真正面に置くのではなく、左斜め前に流しましょう。右斜め前だと上前がずれて着崩れしてしまう可能性があるので、流す方向は必ず左前です。
背中を見せるポーズ
背面の柄や帯結びを見せたいときは、背中側から撮影してもらうこともあります。
基本の立ちポーズをし、そのまま背中側から撮ってもらうのも良いですが、工夫を加えて華やかな印象を残すことも可能です。
例えば、袖を持てば柄の美しさを見せられます。後ろを振り返りながら撮れば、着物だけでなく横顔も写せます。
【ポーズ以外】着物姿を美しく撮るコツ
ポーズ以外にも、着物姿を美しく撮影するコツがあります。
- 太陽の下で撮る
- 背景はシンプルに
- いろんな角度で撮る
具体的な方法を見ていきましょう。
太陽の下で撮る
着物姿の写真撮影は、太陽の下で行うのがおすすめです。
自然光に当たることで着物が綺麗に発色して見えます。顔色も明るく写るため、ナチュラルな美しさを演出できます。
着物姿を綺麗に写し出すためには、太陽が照っている日中に屋外で撮影しましょう。
背景はシンプルに
屋内外を問わず、シンプルな背景で撮影すると着物姿が美しく見えます。
背景がごちゃごちゃしていたり、別の人が写り込んだりしていると魅力は半減です。
屋外で撮影する場合は、緑の多い自然や情緒あふれる街並みの中で撮影すると良いでしょう。神社やお城の前で撮影するのもおすすめです。
屋内の場合、背景は一色にまとめるのが基本です。着物の色に合う背景色を選ぶことで、美しさを際立たせることができます。
もしくは、和室での撮影もおすすめです。背景に畳や障子・ふすまがあると日本らしさを感じられます。
いろんな角度で撮る
満足できる写真を残すために、さまざまな角度から撮影しましょう。
同じ立ちポーズでも、撮影する角度が違うだけで見え方も大きく変わります。
髪型や髪飾りを強調したいのであれば上からの撮影が適していますし、脚を長く見せたいのであれば下からの撮影が最適です。
お気に入りの柄がある位置から撮影してもらうのも良いでしょう。
撮影する距離も重要です。被写体を中心において近くから撮影するのが一般的ですが、背景が綺麗な場合は、遠くから撮影して景色に溶け込むことで、より一層美しく見えることもあります。
角度や距離を調節しながらたくさん撮影し、お気に入りの一枚を見つけ出しましょう。
着物姿を美しく見せるために重要なのはポーズだけではない!
着物姿を美しく見せるために重要なのはポーズだけではありません。
着付けが正しくできていないと、ポーズがどんなに綺麗でも不格好に見えてしまいます。着付けという事前準備がとても重要になるのです。
ということで、着付けに自信のない方は、まずは正しい方法を勉強することから始めましょう。
本や動画を使って独学で勉強するのも良いですが、最も効率的かつ実践的に学習できるのは「着付け教室」です。
プロから直接指導を受けながら、着付けの方法を身につけることができます。1授業あたりワンコインで受講できるリーズナブルなところも多いので、ぜひ一度近所の着付け教室を探してみてください。
おすすめの着付け教室はこちらの記事で7つのポイントを比較しながら紹介しています。どこが良いか分からない方はぜひ参考にしてください。
まとめ
本記事では、着物姿を美しく見せるポーズのコツを紹介しました。
基本の立ちポーズのコツを改めてまとめると、以下のようになります。
- 上から引っ張られている感覚でまっすぐ立つ
- 肩甲骨を寄せる
- 顎を引く
- お腹に力を入れる
- 肘を張らない
- 袖を持ってからポージングする
- 指先を揃える
上記7つのコツは、立ち姿だけでなくどんなポーズにも応用が利きます。体に染みつくまで何度も練習しておきましょう。
皆様がポーズをマスターし、美しい着物姿を披露できることを祈っています!