本記事では、「着物の勉強をしたいけど、何から始めたら良いか分からない」と悩んでいる方に向けて、着物の勉強方法を紹介しています。
記事を読みながら、まずは何から始めるべきかを一緒に整理していきましょう。
着物の勉強には種類がある
一口に着物の勉強といっても、カテゴリーによって学ぶべき内容は異なってきます。例えば、着物の勉強は大きく以下の4種類に分けられます。
- 着付け
- 着物のコーディネート
- 和裁
- 染色
それぞれ詳しく説明します。
着付け
着付けとは、着物を着る・着せることを指します。着物の中でも、着ることに関して勉強したい方は着付けを学ぶと良いでしょう。
着付けを学べばいつでも着物を着られるようになるので、式典や結婚式などに着ていく服装を選ぶ際に、着物を選びやすくなります。
また、他人にも着せられるので着付け師や着付け講師といった仕事につなげることもできます。
着物のコーディネート
着付けとは別で、着物のコーディネートに特化して勉強することもできます。
着物と帯の色合いや柄の組み合わせなどを学ぶことで、よりお洒落な着こなしができるようになるでしょう。
アドバイスできるほどの知識がつけば、着物のコーディネーターとして働くこともできます。
和裁
和裁とは、着物を仕立てること・制作することです。生地の裁断から縫製・仕上げまで一人で行うため、たくさんの勉強と練習が必要になります。
学ぶ過程は大変ですが、和裁のスキルを身につけると、自分好みの着物を仕立てられるようになります。また、着物の仕立てや直しを行う和裁士として活躍することもできるでしょう。
染色
染色とは、着物に色や柄を付けることを指します。染色にはさまざまな技法があり、勉強するほど多様なデザインを表現できるようになります。
よって、染色のスキルを身につけると、自身でデザインした着物のデザインを形にできるようになるのです。
染色のスキルを突き詰めて勉強すれば、着物の作家やデザイナーの道に進むこともできるでしょう。
着付けを勉強したい人におすすめの方法
着付けのスキルを身につけたい方は、以下の方法で勉強することをおすすめします。
- 着付け教室に通う
- 動画で独学する
1つずつ詳しく見ていきましょう。
着付け教室に通う
着付けの勉強をしたい方に最もおすすめなのが、着付け教室に通う方法です。
着付けに精通したプロから直接指導してもらえるので、効率よく勉強することができます。
教室は専門学校とは違って費用もお手頃な場合も多く、リーズナブルなところだと1回あたり500円で授業を受けられます。
以下で、おすすめの教室を2つ紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
いち瑠
いち瑠は、初心者向けの着付け教室です。着付けに必要な道具はすべて無料でレンタルできるので、持ち物を準備する必要はありません。すぐに通い始められます。
また、授業料が1回あたり500円(税込)とお手頃なのでスタートも切りやすいでしょう。
典雅きもの学院
典雅きもの学院では、着付けを学ぶ目的に応じて通うコースを選べます。
自分で着たい・他人に着せたい・講師になりたい方専用のコースがたくさん設けられているので、専門知識を身につけやすいのが特徴です。
動画で独学する
着付け教室に通う時間がない方は、動画を見て独学するのも一つの手段です。
現在、YouTube動画を通して着付けを教えている着付け師の方は増えてきています。いつでも見られる上に無料なので、試してみるハードルは限りなく低いでしょう。
以下の記事で、初心者におすすめの着付け動画を紹介しているので、何を見て良いか分からない方は、ぜひ参考にしてみてください。
着物のコーディネートを勉強したい人におすすめの方法
着物のコーディネートを学びたい場合、方法は主に2つあります。
- 着付け教室に通う
- 着物の専門学校に入学する
以下で詳細を見ていきましょう。
着付け教室に通う
着物のコーディネートは、着付け教室で学べます。着付けとコーディネートは切っても切り離せないものなので、基本的にはどの教室でも勉強可能です。
以下では、先ほど紹介したいち瑠や典雅きもの学院を除く、おすすめの教室を2つ紹介していきます。
長沼静きもの学院
長沼静きもの学院には、着物のコーディネートに特化したコースがいくつかあります。
例えば「タンスの中のきもの着てみま専科」では、持っている着物をいかにコーディネートするかを勉強できます。
「3日間カンタンきもの入門講座」という短期講座もおすすめです。着物の着方からコーディネートのコツまで全3回の授業で勉強できるため、挑戦しやすいでしょう。
ハクビ京都きもの学院
ハクビ京都きもの学院では、1年間かけて着付けを学んでいきます。長期間の学習になるので、さまざまな着物が着られるようになります。
四季に応じた着物や帯の選び方なども実践的に勉強可能です。コーディネートのコツも、じっくりと学べるでしょう。
着物の専門学校に入学する
着物のコーディネートは、専門学校で学ぶこともできます。教室とは違い、毎日通う必要がある上に卒業まで2~4年程度かかるためお手軽さはないですが、より本格的なスキルを身につけることが可能です。
以下で、着物のコーディネートを勉強できる専門学校を2つ紹介します。
東洋きもの専門学校 きものコーディネーター専攻
「東洋きもの専門学校 きものコーディネーター専攻」では、スタジオやロケでの撮影を通して着物のスタイリングを実践的に学べます。メイクやネイルの授業もあるので、着物の全身コーディネートができるようになるでしょう。
藤影きもの専門学校 きもの専攻コース
「藤影きもの専門学校 きもの専攻コース」は、文様・色彩学などを通して着物のコーディネートを学べる専門学校です。WordやExcelなどビジネスには欠かせないスキルも身につけられるので、卒業後の進路の幅も広がります。
和裁を勉強したい人におすすめの方法
和裁はプロから直接学ぶのが一番確実な方法です。主に下記2つの場所で教わることができます。
- 和裁教室に通う
- 和裁の専門学校に入学する
それぞれの方法について、詳しく解説します。
和裁教室に通う
和裁教室では、着物の縫い方の基礎から実際の作品作りまで学べます。授業は週1回、2~3時間程度のところが多いです。
教室は、仕事や家事と両立しながら和裁を学びたい方におすすめです。
岩本和裁
岩本和裁は、初心者向けの和裁教室です。創業100年の着物の仕立て屋さんが運営しています。
週1回、1回あたり3時間の授業で和裁の基礎を学びます。入学前には教室見学も可能なので、気になる方は一度見学してみると良いでしょう。
ricca
riccaでは、単衣着物・帯・浴衣などの縫い方を学べます。1レッスン1時間で、好きなタイミングに予約できるシステムです。第1回目の授業では針の持ち方から教われるので、初心者の方でも安心して勉強を始められるでしょう。
和裁の専門学校に入学する
和裁を本格的に学びたい場合は、教室よりも専門学校の方がおすすめです。毎日、一日中和裁について勉強するので、より専門的なスキルが身につきます。
織田きもの専門学校
織田きもの専門学校では、着物のことを全体的に勉強できます。和裁はもちろん、着付け・コーディネート・染色などもトータルで学習するカリキュラムとなっています。2年間かけてじっくりと着物の勉強をしたい方におすすめです。
辻村和服専門学校
辻村和服専門学校は、4年制の専門学校です。卒業時には、着物・振袖・袴・羽織などを仕立てられるようになっています。4年後、さらに勉強したい場合は卒業せず進級することもできます。
和裁に特化して勉強したい方は、一度学校説明会や体験入学などで詳しく話を聞いてみると良いでしょう。
染色を勉強したい人におすすめの方法
染色を勉強したい方は、以下の方法でプロから教わることができます。
- 染色教室に通う
- 染色の専門学校に入学する
順番に詳しく解説します。
染色教室に通う
染色は教室で勉強できます。ただし染色教室の数は、着付けや和裁と比べると多いとは言えないため、近所で見つからない可能性もあります。通いやすい場所に染色教室があるか調べてみましょう。
以下では、おすすめの染色教室を2つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
染の里おちあい 本格的染色教室
「染の里おちあい 本格的染色教室」には、江戸紅型コース・江戸更紗コース・手描友禅コースがあり、勉強したいコースを選ぶことができます。いずれも授業は全6回で、1回あたり2時間の編成です。半年後には応用コースに進級でき、最後にはオリジナルの図案で染色ができるようになります。
生徒を募集するのが4月と10月の2回だけなので、タイミングを逃さないようにしましょう。
東京手描友禅工房協美 友禅教室・染色教室
「東京手描友禅工房協美 友禅教室・染色教室」では、国指定の伝統工芸士が講師を務めています。初心者だけでなく経験者も対象とした教室です。
染色の中でも特に友禅染や蝋纈染を学びたい方におすすめです。
染色の専門学校に入学する
染色を学ぶなら専門学校に通うのもおすすめです。取得できる資格や学べる分野の幅が広がります。
大原和服専門学校 着物染織科
「大原和服専門学校 着物染織科」は3年制の学科です。3年間通して染色を勉強できます。実際に作品を制作できるのはもちろん、コンテストやコンクールに挑戦できるので、実績も積みやすい環境です。
清水とき・きものアカデミア きもの芸術科
「清水とき・きものアカデミア きもの芸術科」は、染色を中心に着物のことをトータルで勉強できる専門学校です。取得できる資格も多いため、卒業後に役立てやすいのが特徴です。
また、昼間部だけでなく夜間部もあるので、日中仕事がある方でも通いやすいでしょう。
まとめ
本記事では、着物の勉強方法について4種類に分けて解説してきました。
あなたに合う勉強方法は見つかりましたか?
やってみたいと思う勉強方法が見つかった方は、早速行動に移してみましょう。一歩踏み出すことで、どんどんと新しい世界がひらけてきますよ。